ローラートレーニングはいかに飽きないかが大事!
まずローラー台でトレーニングをするときに用意するものは水。これを忘れたら非常に辛い。その次に汗拭きタオル。実走と違い、風がないので予想以上に汗をかく。マリノ選手の場合は額の汗をいちいち拭くのがめんどくさいので、ヘッドバンドをするそうだ。あとは、とにかく退屈なので音楽を聴くためにイヤホンやヘッドホンをするのがオススメ。
ローラー台のトレーニングは正直辛い! そして退屈だ。なので気合を入れすぎて一回に何時間もやるのはオススメしない。やりすぎて精神的に疲れてしまい、ローラーをやるのが嫌になるのだけは避けたい。そのためマリノ選手場合は「今日外で走る予定だった時間の半分」にしている。MAXは1・5時間。そしてメニューも外の半分にしている。
メニューに関してマリノ選手の場合は、基本的にパワーメーターを見て、コーチが組んだメニューを淡々とこなす。しかし、通常はそうはいかない。ところが最新の多機能ローラー台はそのままでパワーを計測できるし、アプリを使えば専門家の組んだメニューを気軽にこなせる。ダラダラ乗るより、短時間でしっかりメニューをこなしたほうがメリハリがあり飽きにくく、そして効率よく強くなれる。また、バランス感覚やペダリングスキルをアップさせたい場合は3本ローラーがオススメ。
小林マリノ
1994年7月1日(20歳)2013年よりJPT参戦。今シーズンからスペインのバスク地方のU23カテゴリーチームに所属し、来期も引き続きスペインのアマチュアチームに所属
パワトレを始めたいがパワーメーターが高くて手を出せないという人は多い。一番安くて10万円前後。しかし、新型の固定ローラーにはパワー計測できる機能が搭載されていることが多い。半分ほどの値段でパワトレができるのだ。高強度をやりたいときにはみっちりローラーでメニューをやり、時間がある日に外で中強度でロングをやれば確実に強くなるはず。ロングを走る際のペースもローラーで確認をしておけば、だいたい身体で憶えることができる。それを参考に外でも走ろう。
まず、自分のホイールに付いているクイックを外し、付属品に差し替え、しっかり閉めよう
クイックを装着できたらローラーの固定部分にはめて、しっかりとレバーを下ろして固定しよう
登坂を想定したトレーニングをするときには、ライザーブロックという前輪の高さを高くする台座を使用することも可能だ。上りと平地では上半身などで使う筋肉が違うので、これを使い、慣れておこう。最新のローラー台では実際の坂と同じ負荷設定も可能だ。
固定ローラーだと飽きてしまうというマリノ選手は常に3本ローラーでトレーニング。慣れればそこまででもないが、集中はしなければならないので、固定よりは気が紛れるという。さらに三本の場合、バランス感覚やペダリングがきれいになるという利点がある。きついときにも真っ直ぐ走れるようになったり、ペダリングがきれいになりむだな力を使わずにすむようになれる。きれいに回せないと高回転で回せないのだ。下死点を踏んでいるため、ポンポンとお尻が跳ねてしまうことに。
3本ローラーを始めるときにまず大切なのは支えだ。スタート前に手を着いてしっかり支えられる、壁か棒の横でやろう。ホイールが回ってないこぎ出しのときや、降りるときにこの支えにつかまろう。慣れてくるとなくても大丈夫になるが、練習中にミスってしまった場合、これなら安全だ。
■30分でも効果的な簡単メニューを紹介
30分ほどでも十分効果的なトレーニングができるので、初心者向けに簡単なものを紹介。自分が持続できる強度を時間の半分でやるということ。例えば20分限界の強度で10分。10分限界の強度で5分。それを少しずつ、時間ではなく、本数を増やしていくのが効果的だ
問:カワシマサイクルサプライ / TEL.072-238-6126 / www.riogrande.co.jp
プロツアーチームなど、数多くのチームがウォームアップなどで使用する老舗のイタリアンブランド。固定ローラーから3本ローラーまで幅広いラインナップをもつ。最新のキューボ・デジタルはアプリケーションも充実。電子制御マグネティック負荷ユニット、ANT+ワイヤレス・コンピューターコンソールでの負荷強度管理ができ、トレーニングプログ ラムなども充実。効率的にトレーニングできる。
QUBO DIGITAL キューボ・デジタル / 6万9530円(税抜) 2015年4月頃発売予定
ANT+センサー対応の電子制御モデル
100V電源で駆動する電子制御マグネティック負荷搭載で3つの異なるトレーニングモードを選べる。電気的に負荷を生み出すので、実際のヒルクライムのような感覚の低ケイデンス高負荷といったパワートレーニンを可能とした(最大1600Wまで対応)。デジタルシリーズ専用のアプリ「i-キューボ」でさらに機能を拡張することが可能。
電子制御なので坂道も自然に再現
重量、機能などは室内用と言えるだろう。目標負荷を設定できるほか、パワー計測もできるので、パワーメーターがない人には便利。さらに電気的に負荷ユニットで負荷を生み出すので実際の登坂のような低ケイデンス高負荷といったパワートレーニングも可能だ。実走感に優れ、音、振動ともに少なく室内でも安心だ。
操作しやすいファスト
フィキシング・レバー
大型のはずみ車で
実走感を再現
100V電源を使って
負荷ユニットを駆動
「i- キューボ」アプリケーションでパワー計測、メニュー管理マップ上の擬似コース体験が可能
キューボ・デジタルで利用できる「i-キューボ」アプリは、従来の「マイE-トレーニング」と同等の機能をもち、5つのメニューからトレーニングを選択できる。3つのベーストレーニング。そして身体能力を試すコンコーニテストなどが可能だ。「i-キューボ」アプリはアップルストアからダウンロードできる(利用無料)
コースマップ機能はグーグルマップを利用して自作したり、ルートラボにアップされているGPSデータをダウンロードして、マップ上を擬似走行できるモード。スタートとゴールを設定するだけで自動的にコースを設定、プロフィールの傾斜度に合わせて自動で負荷がかかるシステムだ
メーターで負荷もコントロールできる
ワット表示が可能な専用メーター。アプリを使用しなくても、ANT+ワイヤレス・コンピュータコンソールで負荷強度やパワー、ケイデンス、心拍、スピード、時間、距離などが確認できる。もちろんワットを指定でき、自分の狙った負荷でトレーニングすることも可能だ。傾斜度を想定した付加設定もでき、獲得標高も表示される
問:深谷産業 / TEL. 052-909-6201 / www.fukaya-sangyo.co.jp
創業昭和8年という日本を代表する老舗ブランド。サイクルトレーナーメーカーとしては国内唯一で、海外への展開も積極的に行うブランドだ。そのほかにもキャリアやスタンドなど数多くのバイク関連商品を揃え、国内外で高い評価を受ける。また、かゆいところに手の届くアタッチメントなどのアイデアパーツもラインナップし、バイクライフを豊かにしてくれる商品を幅広くラインナップする。
R800 LIVEROLL R800 ライブロール / 6 万7700円(税込)
もがいても安心の重量感
高速でのトレーニングにも対応した高剛性のプロフェッショナルモデル。重量は21㎏と重量感があり、もちろん全開での“もがき” が可能なしっかりとした作りによって安定感も抜群だ。ひとまわり大きく重量のある新型のローラーによってスムーズな回転を可能とした。乗り降りの際に便利なフットレストも標準装備するなど、細部まで凝った仕上がりだ。
ペダリング矯正にオススメ
3本ローラーのなかでは小さく、振動も少ない。ひと回り大きいローラーを採用しているので高回転が非常にスムーズだ。室内でトラック、ロードでの回転練習などスキルアップしながら強くなりたいサイクリストにはオススメといえる。フットレストも付いているので初級者や3本ローラーが初めての人にも安心だ。
無段階の調整機能でベストなセットが可能
フロントローラーはバイクにあわせてホイールベース950~1080㎜まで無段階での調整が可能。フレームサイズを選ばず、自分のバイクにあったベストポジションが出せる接地場所の凹凸にも対応可能
フレームの下部には6つの高さ調整ベースが付属し、接地の際にジャマな地面の凹凸にも対応し、水平を出しやすい。細部までこだわった作りで、安定したトレーニングが可能だ足着きが考慮されたステップを装備
乗降車用のステップを標準装備としたことで、フラットアウトまで追い込んだ練習後でも安心して降りることが可能。もちろん乗り慣れないエントリーライダーにも優しい装備といえる大きなローラーで回転性能をアップ
大径のベアリングとローラーを採用したことで剛性と回転性能を向上。前輪部分と後輪部分の高さを変更したことで水平なライディングポジションで走行することが可能となったQUATTRO C クアトロC / 2万7100円(税込)
コンパクトで扱いが楽々!
マグネットブレーキによって4段階の負荷調整が可能で、コンパクトに折りたたむことが可能なサイクルトレーナー。850gの鉄製フライホイールを採用し、滑らかなライディングフィールを実現させる。フレームは鉄とアルミを使用し、本体も5.5kgと軽量で持ち運びが考慮されている。対応ホイールは24×1.5(小径アダプター使用)~700×40C。
シンプルなのではじめての方にオススメ
第一印象の軽く、コンパクトということをまったく感じさせない安定感がある。折りたたみ、組み立てもとても簡単で、音、振動ともに少なく、負荷段階も調節できるのでレース前のアップや室内トレーニングにも適している。1台でさまざまな用途に使える。負荷調節がローラー部にあるので、乗る前に調節が必要。
簡単に調整可能な
負荷調整機能
125~145㎜までの
エンド幅に対応する
充実した付属品で、すぐに
トレーニング開始可能
問:ライトウェイプロダクツジャパン / TEL:03-5950-6002 / www.riteway-jp.com
2002年に世界初となるプログレッシブ負荷装置を搭載したトレーナーを発売。以来、実走感に優れた油圧式負荷モデルなど、革新的なモデルを送り出す100%アメリカメイドの高品質トレーナー。プロツアーのトレックファクトリーレーシングに機材供給するなどその実力は知られるところ。ここで紹介する新型のフルード2VER2はミドルグレードのフルード2を改良したモデルだ。
FLUID2VER2 フルード2VER2/ 3万7000円(税抜)
滑らかな負荷の変化が特徴
トレーニングの質を重要視する人にとって、フルード2 VER2は屋内トレーニングの心強い味方。ほんとうの走行感を再現するため精密に加工され、さらにバランシング調整された1.2㎏のフライホイールを使用し、大きな慣性を持たせて驚くほど自然なペダリング、滑らかな負荷変化を実現。静かでパワーあふれるトレーニングができる。
自宅でしっかりメニューをこなす人向け
改良された新しく大きなフライホイール、滑らかな負荷カーブで非常にリアルな実走感。大きめのサイズで、しっかりしているが見た目ほどの重さはなく、組み立ても楽で扱いやすい。持ち運びも可能でレースのアップにも使える。室内で音、振動が少し気になるようであれば、専用のマットを使ってみるのもありだ。
3段階で調整も簡単に!
ハブを固定するレバーにスプリングを内蔵することでフレームへの負荷を軽減。着脱も大きなレバーでワンタッチだ!取り外し可能な負荷ユニット
負荷ユニットを正確に取り付けられるクラッチノブシステム。適正値でクリック音が鳴り、オ ーバートルクを防止放熱効果の高いアルミ製ファン
フライホイールとファンを融合させた自動冷却システムで発熱の影響を最小限にし、連続使用時の負荷を適切にコントロール問:東商会 / TEL. 048-250-5213 / www.eastwood.co.jp
ジェットブラックは1996年にオーストラリアで軽量MTBペダルを販売開始したメーカーだ。最安の価格で最高の製品を販売することを目標とし、なかでも固定ローラーは世界的に有名だ。油圧式のZ1-プロは2012年台北サイクルショーで権威ある国際iFデザインイノベーション賞を受賞。このほか3本ローラーR1などもラインナップ。その高い技術力で生まれたのがこのウィスパードライブだ。
WHISPER DRIVE ウィスパードライブ / 7万4000円(税抜)
リアホイールレスタイプの高い静粛性
手元で7段階の負荷調節ができる(最大1200W)。ダイレクトドライブタイプなので決戦用ホイールやタイヤ、スプロケットを痛めることなくトレーニングができる。さらにトレーナーを購入するとスマートホン、タブレットで使用可能なアプリが無料ダウンロードできる(現在iOSのみ、アンドロイド版は準備中)。トレーニングにも向いている。
実走行に近い自然な負荷量調整が可能
後輪を使わずタイヤを介さないため、ダイレクトに高い負荷をかけられる。負荷調節の幅が広く、専用アプリのメニューが豊富で、本格的なトレーニングにもオススメ。タイヤを消耗させたくないヘビーユーザーにもいい。音は小さいが振動があるのでマットを使用して解決しよう。
負荷調節も手元で簡単
調節ハンドルはオーソドックスなタイプ。簡単に7段階調節で き、自分の目的にあった負荷に設定できる。最大1200wまで対応するので上級者でもOK10&11段使用可能
フリーボディはシマノHGの10速11速の両方が使用できる。レース前なら決戦用のホイールを履き替えずにアップできるのがうれしいところ折りたたみも簡単
折りたたみも非常に簡単にできる。なおかつ広げると安定感が抜群だ。これならもがいても大丈夫。どんな辛いメニューにも耐えてくれそうだ問:日直商会 / TEL. 048-953-9771 / www.nichinao.co.jp
プロツアーチームをはじめ、多くの選手から信頼を受けているオランダ発のブランド。独特なフレームデザインとイメージカラーとなる鮮やかなライトブルーのトレーナーは、ツールの中継などを注意深く見ていれば、選手がウォーミングアップしているバスの近くで目にすることが多い。細部に優れたアイデアを採用し、使い勝手のよいトレーナーシリーズを展開している。
BUSHIDO SMART ブシドー スマート / 10万4000円(税抜)
発電機能搭載でブルートゥースにも対応
タックスはタブレットを使用した新しいトレーニング方法を用いるためにブシドー スマートにさまざまな機能を搭載。ハンドルバーにタブレットを取り付けるためのオプションもある。最大ブレーキパワー1400Wという強力なパワーで、最大15%の傾斜を再現でき、ブルートゥースでスマートフォンやタブレットと連動、多くのコースを擬似体験できる。
モーターによる下りでの自走感を再現
下りでホイールが自然と回る感じをモーターで滑らかに再現するほか、リアルな実走感を味わえる。やや大きめだが見た目ほどの重さはなく、組み立ても楽で扱いやすい。電源が不要なので持ち運びもできレースのアップにも使える。室内で音、振動が気になるようであれば、専用マットを組み合わせよう
バイクの着脱はワンタッチ
タックスのすべてのトレーナーに共通して設けられている大きなレバーにより、バイクとトレーナーの着脱がワンタッチ。 力が入れやすく扱いやすい。調整は反対側で行う自家発電なのでコンセントは不要!
ブシドーは自家発電のため、コンセントなどのコード類は一切不要。乗り始めればすぐに発電される。また発電状態がカラーLEDで表示され、色の変化で充電具合がわかる問:ダイナソア / www.dinosaur-gr.com
アプリケーションとローラー台の組み合わせでバーチャルにライディングを楽しめるのがこのビークールだ。ビークール社はスペイン・マドリッドに本社を置くが、このビークールが日本にも上陸する。自宅にいながら3Dワールドで世界中のルートを走り、世界中のライバルを相手に戦えるのがおもしろい。PCやモバイルを見ながら一斉スタートするバーチャルレースも開催、オフシーズンも楽しめる。
PRO TRAINER プロトレーナー / 6万9000円(税抜)
バーチャル対戦可能な最新モバイル対応モデル
PCやタブレットにANT+の受信機を取り付け、ローラー台本体とANT+を使ってデータのやり取りをするというもの。アプリケーションをダウンロードし、会員登録を済ませオンラインで楽しめる。※iPad2、iPadエアではANT+ワフーキー、アンドロイドではUSB OTGが必要(本体には付属していない)
ローラー台ではなくシミュレーター
重量、組み立てやすさはともに標準的。音、振動ともに多少あるのでマンションなどではマットを敷いての使用をオススメ。ローラー自体の実走感も高く、シミュレーターを使用して世界の有名な峠を模擬体験しながら楽しく室内トレーニングができる。
コースやメニューにあわせ負荷が変化する
従来のローラー台とは違う、いわばシミュレーター。ライダーが考えながら負荷の調整をするのではなく、コースやメニューにあわせ自動的に負荷(最大で1200W)が変化していくトレーニング、仲間との共有そして分析が可能
ベーシックな無料体験版のほか有料のプレミアム登録(月額15ドル~)もある。50万以上 のルートや、ビデオによるコースの動画ストリーミング(ブエルタの本番コースあり!)、さらに3D空間のコースが使える。またiPhoneや、アンドロイドでコースのアップロードもできる。さらに通信により最大100人の仲間と同時にバーチャルで走ることもできる