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自転車How To

ヘルメットの選び方【後編】ヘルメット選びとフィッティングのポイント!

[2007/01/11 UP]

ヘルメットは転倒や事故の際に頭を保護する重要なアイテム。「暑くて蒸れる……」なんてボヤいて被るのを嫌がっているアナタは真のサイクリストではない!以外に知らないヘルメットの構造から正しいフィッティングポイントまでを完全マスターしよう。

Y's Bike Garage 副店長 奥平総帆さん 講師紹介
Y's Bike Garage 副店長 奥平総帆さん
DHメカニックとしても活躍する奥平さんは、DHを楽しむこともあってライディング時の安全性を最重要視する。モーターバイクにも跨るので、ヘルメットの意義や正しい着用のしかたにもめっぽう詳しい。在庫が豊富なショップでヘルメットを指南してもらおう!
Y's Bike Garage 東京都大田区多摩川1-36-27 TEL.03-5732-0840 http://www.jitensya.co.jp/group/shops/garage/

ヘルメット選びのポイント 頭のカタチは千差万別

十人十色、頭のカタチは様々あり、日本人と欧米人の頭部の形状も、まったくといっていいほどの違いがある。自分の頭にあったモノはどう選べばいいか?

自分の頭の形状を把握しピッタリのモノを選ぶ!
頭のカタチは人種、性別、体格、年齢によって様々である。負担なく走るためにもヘルメットの形状選びは大きなポイントになるのだ。

奥平さん「よく街で見かけるのは、自分の頭のカタチに合っていないモノを着用している人です。理想は頭のてっぺんが内装の上につき、頭の周りがまんべんなくフィットするモノを選ぶこと。頭のカタチにピッタリとフィットしたモノを見つけると、ヘルメットに守られている安心感と負担のなさに感動しますよ! また、キツいものを着用すると頭部の血流が圧迫されて頭痛がしたり、気分が悪くなるので、楽しいライディングも台なしになってしまいます。デザインを重視するよりも、まずは自分の頭のカタチに合ったヘルメット選びをすることが大切です!」。

ブランドによって大きく形状が異なるので、自分に合うブランドを見つけることが大事だ。ショップでは、異なるサイズも試着して、自分に合うベストのヘルメットを見つけよう!


日本人の頭のカタチとは!?
日本人の頭のカタチとは!?
アジア人特有のお椀型ヘッドだ
日本人と欧米人の頭の形状は正反対といっていいほどの違いがある。日本人は“絶壁”、“ハチ張り”の丸型が多く、欧米人は後頭部がでっぱりハチのない縦型の形状だ。ヘルメットの構造も多く揃えられるのが理解できる。アナタのカタチはどっちに近い?

 
日本ブランドと海外ブランドの違い
日本ブランドと海外ブランドの違い
自分に合うブランドは日本or海外?
生産国によってヘルメットのカタチは大きく変わる。日本ブランドなら、モチロン日本人の頭の形状に合わせたカタチに作られているし、海外ブランドなら少し縦型の頭のカタチに合ったモノに作られている(例外もある)。自分の頭のカタチに合うブランドを探そう!

FREEサイズとS.M.Lはどっちがイイ?
FREEサイズとS.M.Lはどっちがイイ?
それぞれにどんな利点がある?
フリーサイズのヘルメットとS、M、Lとサイズがあるヘルメットの違い。選び方のポイントは一体何なのだろうか?ヘルメット選びの極意は片っ端から被ってみること。どちらが合っているかは個人の頭のカタチによって違うが、それぞれに利点があるのだ!

 
自分サイズはどう選ぶ?
自分サイズはどう選ぶ?
フィットするポイントがある!
頭のてっぺんに隙間があるのはサイズが小さくて、自分の頭に合っていないということ。
デザインもサイズも気に入ったけど微妙な調整が必要なら、パッドを厚めにするのもアリ!

フィッティングのポイント 正しいかぶり方で走りが変わる

正しくヘルメットを被っていますか?合っていると思って被っていても実は大きな勘違いをしているかも…フィッティングのしかたで走りも変わる!

正しく被らないと危険な時に機能しない
ヘルメットとは万一の事故や危険からあなたの大切な命を守るためのアイテム。たとえヘルメットを着用しているからって、間違った被り方をしている人だけでなく、レース会場でも、ヘルメットを注意して見ていると、意外と間違った被り方をしている人が多いことに気づく。

奥平さん「よく半ヘル(約半分しかヘルメットが頭に入っていないこと)をしていたり、異常に深く被りすぎている人を見かけます。本人は気づいていないのかもしれませんが、そんな間違った被り方では、いざという時に危険を回避することなどできないし、快適に走ることすらできません。せっかくヘルメットをかぶっていても、残念ながらまったく意味のない飾りになります」。

正しい角度とベルトの調整、正しいフィッティング方法を理解して、初めてヘルメットの機能が発揮される。あなたの大事な命を守るためにもしっかりしたフィッティングの方法を覚えることが大切だ!


髪型はピタッと収まるように
髪型はピタッと収まるように
女性は邪魔しないスッキリヘアで!
ヘルメットの着用は髪型にも左右される。ヘルメットを被る位置に髪の毛を束ねても、着用時に崩れるだけだし、第一に安全性が確保されない。着用の邪魔にならない低い位置に髪の毛をスッキリと束ねるのが理想!

 
オン・ザ・眉毛が基本!
オン・ザ・眉毛が基本!
眉毛の位置にヘルメットを合わせる
間違った角度で着用しても、走行時の視界の邪魔になったり、グラついてしまったりで、まったくヘルメットの存在意義がなくなってしまう。初心者は間違っている人が大半……。事故の際にヘルメットの機能を充分発揮するために、理想の着用角度を習得しよう!


あごヒモは指一本がベスト
あごヒモをキツクし過ぎてない!?
あごヒモをキツクし過ぎてない!?
あごヒモは厳しい検査が行なわれる重要な部分で、ヘルメットの隠れた要である。このあごヒモをしっかり締めることではじめてヘルメットの機能を発揮するといっても過言ではない。初心者はキツ過ぎる場合がほとんど。どの程度が理想か知っておこう!

 
チンガードの必要性
突然の転倒は当たり前の世界……
突然の転倒は当たり前の世界……
激しいDH(ダウンヒル)にはチンを守るフルフェイスで!

チンガードはチン=あご。つまりあごをしっかり守るモノ。だからこそ、あごが隠れるように着用するのだ!
写真左は鼻も口も丸出しで重要な部分が全く守られない……。石や枝も当たるので危険!

詳細はバイシクルクラブ 2006年6月号(2006年5月20日発売)をご覧ください

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存在意義を理解してヘルメット選びは正しく!
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