枻出版社 枻出版社

自転車How To

Vol.9 初めてのレーサーパンツ その1 レーサーパンツってどこがどう優れているの?

[2008/03/06 UP]

食わず嫌い……でもないけれど、どうしてもレーパンを履く勇気がないスポーツ自転車初心者の方も多いはず!
なにを隠そうこのバイシクルクラブ編集部にもそんな空気が漂っているのも事実。
まずは、レーサーパンツってどこがどう優れているのか見てみよう!

優れたアイテムらしいけどあの見た目はちょっと苦手

スポーツバイクを始めた人にとって、必ずやぶつかるであろう壁が「レーサーパンツ」の着用の可否。レーサーパンツとは、プロの自転車選手やスポーツバイク上級者、そして多くのプロショップが、その着用を薦める自転車の専用ウエア(パンツ)だ。
でも、その着用に躊躇してしまう人がいるのも事実なのだ。だって、股にパッドが入って、カラダ(下半身)にピタッと密着するそのスタイル……、慣れない人からすると、ちょっと“変”と言っても過言ではないでしょ?
しかし、あなどってはいけないのが、レーサーパンツ。長距離を走ったり、レースに出るようなスポーツバイクの上級者は、まず間違いなくレーサーパンツを着用している。より速く快適に走りたい!
と思う人が選ぶウエアは、このレーサーパンツというわけだ。
レーサーパンツの特徴である、ピタッとカラダに密着する生地や形状は、ペダリングを妨げる要素や空気抵抗を最小限に抑えてくれる。さらに最大の特徴である、股に縫いこまれたパッドがお尻とサドルのあいだに入り、クッションの役割を果たしてくれるのだ。たしかに、長時間自転車に乗ると、お尻に痛みを感じることある。そんなときにちょっと“変”なレーサーパンツのパッドが威力を発揮する。その実力は、ツール・ド・フランスに出る選手も、日本の実業団チームの選手もみ.んな使用しているのだから、言うまでもないよね。
かといって、レーサーパンツは上級者だけのものではない。ライディング時に痛みなどのストレスが軽減するのだから、初心者にとっても、今までの自転車生活をより充実したものに変えてくれるアイテムになってくれるだろう。

自転車に乗る上で1番負担のかかる部分を守ります

ここでは、より詳しくレーサーパンツの性能についてみていこう。今回、お話を伺ったのはパールイズミの萩本さん。パールイズミとは、国内で最初にレーサーパンツを販売し、現在でも国内最大のシェアを誇る自転車用ウエアのメーカーである。「レーサーパンツの最大の利点はお尻の痛みの軽減です」と、萩本さんは話す。長時間のライディングにおいて、痛みを和らげ、快適に自転車に乗るお手伝いをするのが、レーサーパンツの役割なのだ。自転車に乗ると、お尻には多くの体重がかかるけど、レーサーパンツ内のパッドは、サドルとの間で、そのクッションとなる。硬い木の椅子に長時間座っているとお尻が痛くなるので、クッションを敷くようなイメージだ。
ライディング時のお尻の痛みは大きく2種類に分けられる。地面からの衝撃による痛みと、股やお尻と衣類、サドルのあいだで起こる股ずれによる痛み。その痛みに対し、衝撃吸収性やストレッチ機能の向上、縫い目のない素材の使用などさまざまな工夫が施されているのが最先端のパッドである。さらに痛みの予防・軽減以外にも、多くのメーカーで抗菌消臭作用や通気性の高い素材を採用しているのも近ごろのレーサーパンツの特徴。
また、パッドには種類があることも大切なポイントだ。男性用・女性用、短距離用・長距離用などでパッドの形状や厚みが変わってくるので、より自分にあったパッドを使用したい。痛みを我慢してライディングしたり、日常生活にも痛みが残ってしまったら、それは自転車に乗るうえでとても残念なこと。レーサーパンツは、競技でトップ選手も愛用するが、むしろ楽しく自転車に乗るためのアイテムだと、萩本さんは教えてくれた。
初めてのレーサーパンツ・01

ちょっと驚いてしまうけど、レーサーパンツは下着を着けないで履くのが鉄則!下着を履いていると、せっかくの股ずれ防止機能が生かされず、股ずれが起こるし、通気性も悪くなるので、ムレて雑菌が繁殖してしまうこともある。   パールイズミのSMTパッドを比較すると男性用と女性用で異なる形をしている。男女のカラダの違いを考えれば当然のことだ。ほかにも厚みや溝を男女で変えているものもある。購入時に確認しよう。

詳細はバイシクルクラブ 2007年6月号をご覧ください

前のページVol.8 初めてのビンディングペダル 実践編 その3 ビンディングの醍醐味キャッチ&リリースに慣れよう   次のページVol.9 初めてのレーサーパンツ その2 レーサーパンツの選び方