そろそろ待ちに待った登山シーズン。今春の記念すべき初山に選んだのは、神奈川県・逗子駅からバスで約25分の場所にある三浦半島最高峰である「大楠山」。山頂からは、かなりの景色が期待できそう。スマホを頼りに、駅からササッとバスに乗り換え。目的地までは海岸沿いをゆらゆらとバスで進む。海面に日差しが反射して、キラキラと眩しい。日常とかけ離れた光景にずいぶん遠くまできたような気分になる。「次は、前田橋バス停?」、アナウンスを聞いてハッとすると、さっきまでの風景とは打って変わってあたりは山の風景。バス停から約10分ほど歩くと大楠山の登山口に到着。
大楠山にはたくさんの登山ルートがあるが、今回選んだ「前田橋コース」は緩やかな丘陵で大楠山の自然を満喫できるコースだ。登り始めは 長い階段。冬の間にすっかりなまっていた体が、徐々にあたたまっていくのを感じながら、一歩ずつゆっくりと歩みを進めていく。地面の上に 残る枯葉の上をサクサクと音を立てながら歩いていると、木々に赤い実がなっているのを発見。小さな春の訪れを目撃したようで、気分もぽっと晴れやかに。 春の訪れは写真に収め、山で出会った風景を刻みつける。
休憩を挟みながら、趣味の写真を撮りつつ、マイペースに頂上を目指す。
40分ほど進むとあたりはうっそうとした森林に。青々とした大葉とシダ植物が探検家気分をくすぐる。
自分の中の冒険心が目を覚ましたのか、なんだかさっきより早歩きに。「次回はトレランに来たいな!」とすっかり明るい表情だ。
最後の坂を登りきると道が開け、大楠山の目印でもある白い展望台が現れた。その麓には一面に広がる菜の花畑!「私でも登れた?!」と走り回るさやかちゃん。名物の菜の花はまだ3分咲きだったけど、3月下旬になると、山頂は一面黄色の絨毯に変身するんだとか。
山頂には「大楠山ビューハウス」というレトロな看板が特徴的な休憩所がある。中に入ると、店長と一匹の猫がお出迎えしてくれた。まるで近所の駄菓子屋に来たような和やかな空間に心も体もほっこりした。
売店で一本ラムネを購入し、今まで登ってきたルートを見下ろしながらグビッと一杯。この上は展望台になっていて、 晴れていれば三浦半島や伊豆半島、富士山、果てはスカイツリーまで360度大パノラマの最高の景色が味わうことができる。
気軽に登れる低山ながら、楽しみどころはたくさん! まだまだ知らないだけで、小さな宝物がぎゅっと詰まった山は、意外と身近なところにあるのかもしれない。