宇野 常寛さん(評論家)
江戸から明治、そして激動の昭和へ――次々と時代を超える大胆な展開に引き込まれる。圧倒的な速度で変化する時代と、それでも変わらない人間の性(さが)。100年を貫く愛憎が歴史を読み替えてゆくダイナミズムは新人離れしたものを感じさせる。既存のジャンルには分類しがたい異色ファンタジーの登場だ。
菊池 一仁さん(音楽プロデューサー)
映画の主題歌を手がけることは多いのですが、小説のイメージソングは初めて。しかし、最後のページを読み終えた後、映画のエンディング以上に音楽がシンクロするラストシーンがイメージできました。「このラストシーンに響く音楽を作りたい・・・」数十年にわたる壮大なラブロマンス。その感動の結末を音楽と共に楽しんでもらいたいですね。
Kenn Katoさん(作詞家)
時代をまたいでの幻想的な空気感の中で描かれた「時」の残酷さと「愛」の美しさに心を打たれました。老いていかねばならない宿命と、老いてもなお変わることのない愛情の間で揺れ動く二つの心の葛藤に、時間がすべての人に平等に流れている理由を垣間見た気がします。
土屋 秋恆さん(水墨画家)
生肌に絵柄を彫る刺青というものはなんとも美しく、妖しく、そして艶かしい。それは人肌に刃を入れて図柄を描き込むという行為にある種のセクシャリティを感じるからかもしれない。彫る男と彫られる女。そんな情念溢れる世界に不老不死という呪術的な要素を加えると『裏閻魔』独特の闇の旨味が溢れ出す。明治から昭和へと時代を飛び越える超歴史エンターテイメントに仕上がった本作は、なんともワイルドで色っぽく浪漫に溢れているのである。
イオア二ス・メンザスさん(米国/出版社「Vertical Inc.」編集担当取締役)
川端から大江まで、日本文学の巨匠たちは「連作短編」といった独特の形式において腕をふるってきた。この日本的感性の最たるものが、中村ふみの受賞作では全く新しい形で披露されている。それぞれの章は切れ味鋭く、また章間の空白が胸の張り裂けるような緊張感と共に高みへと登ってゆく。あるいは手に取りにくい文学形式を洗練された娯楽作品へと導く作者の技量は、日本国内に収まらず世界の読者にこそふさわしい。
趙 平さん(中国/「上海訳文出版社」編集者)
必ずや読者を驚嘆させる素晴らしい作品! 圧倒的なスケール、生き生きとした登場人物、巧みに練られた言葉選びや場面転換に、ずば抜けた才能を感じる。戦争、崩壊、復興――百年の歴史変遷の中で織りなす、嫉妬、後悔、希望が、壮大な絵巻のように伸びやか且つ鮮やかに目前に広がり、力強い描写の行間に生死に対する嘆きと悟りが激しく波打つ。激変する時代に、繰り返される輪廻。運命の絆、生死の宿命の中、ただ愛だけが生命に美しさと熱い力をもたらせる!
ヤン・ユンオクさん(韓国/翻訳者)
死と背中合わせの運命を持つ“不死の刺青”を手に、激動の時代で百年の時を彷徨う閻魔。実直がゆえに不器用な愛と友情は悲壮な変奏曲を奏でてゆき、儚い想いは奈落の悪意の中でもがき苦しむ。自らと裏表の存在である夜叉と凄絶な死闘を繰り広げる中で、閻魔は人の道を探す。その一つ一つの描写が読者の脳裏にスピーディな映像カットとして映る作品である。
パク・インイさん(韓国/「ソダム&テール出版社」編集者)
刺青によって不老不死の力を得た主人公が、幾つもの時代を生き抜いてゆく中、真に迫る事件が絶え間なく続き、最後まで緊張を緩められないミステリー。作中全般を支配する幻想的で神秘に溢れた雰囲気と映像美は、まるで映画を見ているかのような生々しさがある。登場人物たちが見せる、お互いに対する気遣いや愛情、勇気といったものが、読む者に深い感動を与えてくれる。

(株)三省堂書店営業本部/内田剛さん
圧倒的ともいえるボリュームがありながらも、長さをまったく感じさせないスピーディーな展開が印象的。平凡な日常生活に目が覚めるような刺激を与える、極上のスパイスとなること間違いなしです!
文教堂書店三軒茶屋店/中川浩成さん
これは新時代の恋愛小説だ!閻魔と夜叉、ひりひりと焼けつくようなふたりの関係に身体の奥深いところが熱くなる。僕はこのふたりに恥ずかしくも恋をしてしまった。
ジュンク堂書店新宿店/勝間準さん
「早く早く早く続きが読みたい!!」、「この続きは一体いつ読めるのですか?」。(閻魔のその後がすごく気になったので早く読みたいのを強調してみました)
さわや書店上盛岡店/佐々木美樹さん
魅力的なキャラクターが満載で、ストーリーも引き込まれす。アニメ化、コミック化には栄えそうな物語だと思います。ぜひ実現してほしいです!!
さわや書店本店/松本大介さん
友の、愛する人の、失われてゆく有限の灯。死なず、老いずの刺青〈鬼込め〉を施された男、周が99年目に見出した“真理”とは?
さわや書店フェザン店/田口幹人さん
「ライト時代小説」ブームの中では突出した面白さ!
丸善仙台アエル店/久保郁恵さん
一気に読みました!面白かったです。凝ったアニメになったらと思うとドキドキします。是非、映像化を!
文星堂シンクパーク店/諸貫晃世さん
暗く澱んだ空気の漂う世界の中でもくっきりと浮かび上がるような、奈津の一途な思いが凄いと思いました。報われて欲しいと思います。
宮脇書店ヨークタウン野田店/熊坂敏光さん
不死の秘技「鬼込め」それは不死の身を愛の業火で焼き続ける、地獄行きの切符なのか。新たな書き手の登場に拍手!
ハートブックス事業部/橋本道明さん
時代小説ではないが歴史ファンタジーの新ジャンル。泣きどころではしっかりと読ませてくれる、普遍的な愛を描いた恋愛もあり、エンターテインメント性たっぷり。幕末からの日本の大きなうねりを背景に描かれるエンタテインメント歴史ファンタジーの誕生。映像化によってより深く感じられるものがありそう。
啓文社福屋ブックセンター/三島政幸さん
そこかしこにB級の匂いがする……のだがっ! これが悔しいけど面白いのだ。一気読みしてしまった。まあ、いろいろ荒っぽさはあって、一言でいえば「軽くなった山田風太郎」なんだけど、こういうのを典型的エンタメと言うんだろうなあと。
進駸堂中久喜本店/鈴木毅さん
高橋留美子「人魚シリーズ」や映画「ハイランダー悪魔の戦士」を髣髴とさせる!“不死”という永遠の孤独を宿命付けられた主人公宝生閻魔を中心に、江戸末期から昭和までの101年にわたり人間の業と因果、そして愛を描き出した歴史伝奇浪漫!新人とは思えない迫力に驚愕です!
岩瀬書店福島駅西口店/半沢裕見子さん
読み始めたら「えっ何これ?」って感じで、あまりに私の予想を裏切る作品に正直感動しました。やめられない止まらないというCMがありましたが、まさにその通りに寝る時間も忘れて、一気に読みました。何となく夢枕漠もこういう作品を書くなと思いながら読みました。本屋大賞も狙えそうな作品ですね。正直驚きました。良かったです。
SHIBUYA TSUTAYA/竹山涼子さん
望みをかなえた時圧倒的な孤独を抱えたある男。気付いたら男の哀しみに魅了されあっという間に読み終えた。彼の抱える闇と彼の目にする光。その光に憧れる一方で、自分の内なる闇が光を覆わないように光に近付くまいとする彼の孤独が切ない……。
紀伊國屋書店 横浜みなとみらい店/安田有希さん
閻魔にあっという間に惹きつけられました! 不老不死という達観したものではなく、その時代時代の感情に流される姿にとても共感できました。一言、面白かったです!
鹿島ブックセンター/鈴木順子さん
歴女に多分ウケます!
精文館書店中島新町店/久田かおりさん
閻魔と夜叉。2人の鬼の壮絶な戦いにゾクゾクしました。それは恐ろしく怪しく残酷で美しい孤独な魂の戦い。私ならいったい何の鬼を封じ込めるのか……。読後 掌をぼんやりと眺め続ける自分がいました。実写版の映像化を強く希望します!
ダイハン書房高槻店/安福美弥さん
あまりの面白さにびっくりしました。はじめはエイ出版社さんが文芸書?と正直期待していなかったのですが、頂いたサンプル版を読み始めたら止まらなくなりました。こんなにドキドキハラハラしながら読んだのは久々です。たくさん売れるように頑張ります。是非、続編を出してください!!
紀伊国屋書店MOVIX京都店/西尾祥子さん
最初は、どういう方向に向かうのか、向かいたいのか、解らなかったところもありますが、キャラもはっきりしてて、いつの間にか入り込み、読み進めてしまう面白さでした。閻魔がカッコいい!不器用で、可愛くて、女心をくすぐる奴でした。ライトノベルの様でありながら、生死や愛をしっかりと描いた深い作品だったと思います。不老不死とは、最高のようで最悪。永遠の生と限りある生、どちらが楽でどちらかが苦しいとは限らない。クロや高見のシーンを読むと、生きることや、死に対する尊厳について考えずにはいられませんでした。ただ、やっぱり生死とは誰にも干渉されるべきでないものだと強く感じました。奈津を道連れにして欲しいと思う気持ち半分、、してほしくないと思う気持ち半分。最後に閻魔が決断した結果に救われた気がします。希望の持てる終わり方でした。
サクラ書店駅ビル店/柳下 博幸さん
込められたのは「呪い」か「想い」か!?幕末から昭和を見た不老不死の男。その名は「宝生閻魔」。今も彼がいるのなら・・・。