ストーリー
1945年、広島。奈津を探すも叶わず、閻魔は失意のまま東京へと戻ってくる。その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。一方、〈不老不死〉を求める者たちの魔の手が、牟田家を継いだ惠子にまで伸びようとしていた。死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。戦後復興期の日本で、新たな不死者が誕生する。
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プロファイル

中村ふみ

1961年生まれ。高校時代には、アガサ・クリスティを始めとしたミステリーを愛読。27歳で結婚後、執筆活動を開始する。育児の合間を縫って応募した作品は、女子向けミステリーから短編・TVシナリオ・マンガの原作など多岐にわたる。2000年以降より短編やライトノベルズが各賞で最終選考に残るようになり、2010年『裏閻魔』にて第1回「ゴールデン・エレファント賞」を受賞し、作家としてデビューする。
キャラクター
宝生閻魔(一之瀬周) 宝生閻魔(一之瀬周) ほうしょう えんま(いちのせ あまね)

弘化3(1846年)生まれ。長州出身。新撰組に追われ、瀕死の重傷を負ったところを〈鬼込め〉により救われ、宝生梅倖に師事して刺青師となる。かつての友人・岡崎に娘の奈津を託され、共に暮らす。戦後、死期を悟った奈津が閻魔の前から姿を消し、ようやく奈津への想いを自覚。

宝生夜叉(鬼月) 宝生夜叉(鬼月) ほうしょう やしゃ(おにづき)

天保1(1830年)生まれ。江戸出身。閻魔の兄弟子に当たるが、自らに不死を刻むという禁忌を犯し破門される。右の掌に三日月の鬼込めがある。青白い顔をした優男で、長髪に洋装の姿をした洒落者。何を考えているのかわからないところがあり、軽口を叩いては閻魔を惑わせる。

牟田惠子 牟田惠子 むた けいこ

昭和4(1929年)生まれ。信正の養女。威厳すら感じさせる艶やかな美しさと聡明を併せもった才媛。〈千里眼〉の能力をもち、閻魔の動向や間隔を感じ取ることができる。信正に代わり、16歳にして牟田家の当主となり、ことあるごとに閻魔を支え世話を焼く。密かに閻魔を慕う。

牟田信正(むた のぶまさ)
安政6(1859年)生まれ。江戸の子爵の家柄。閻魔の最大の支援者であり理解者
関場善哉(せきば ●●●●)
昭和8(1933年)生まれ。戦災孤児。刺青に興味をもち、閻魔につきまとう
ロブ・ガーランド
(1924年)生まれ。カリフォルニア出身。進駐軍兵士。特命により『鬼込め』を調査
ドヤ蜘蛛(どや くも)
明治28(1895年)生まれ。彫り師で、不死の鬼込めを極め損ねた〝はぐれ宝生〟
多喜(たき)
昭和8(1933年)生まれ。惠子の幼なじみ。牟田邸の前で善哉と出会う
善彦(よしひこ)
昭和24(1949年)生まれ。善哉と多喜との間に生まれ、惠子の養子となる
大河内(おおこうち)
大正8(1919年)生まれ。南方帰りの元軍人。信正の秘書で、惠子の片腕
美鈴/鈴子(みすず/すずこ)
昭和6(1931年)生まれ。広島出身。新宿の青線で『ベル』というバーを経営
杉村(すぎむら)
大正9(1920年)生まれ。金貸しのやくざ。善哉にクスリを勧め、〈仕事〉を斡旋
豊田浩吉(とよた●●●●)
明治32(1899年)生まれ。製薬会社を営む。母方である皆藤家の跡継ぎとなる
豊田浩一郎(とよた●●●●)
昭和15(1940年)生まれ。浩吉の息子で、明治政府の重鎮・皆藤重清のひ孫
裏閻魔

幕末から明治、昭和の激動に、不老不死の運命を背負う刺青師が見た人間たちの業と愛。「ゴールデン・エレファント賞」第一回〈大賞〉受賞作品。

第一回ゴールデン・エレファント賞 大賞受賞作「裏閻魔」
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