アメリカを感じるカタログ
別冊Lightning Vol.182 アメリカンヴィンテージ
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2016.09.13
先日イギリスのイーストロンドンで行われたファッションプレスやバイヤーが集まる展示会“Jacket Required”。総勢224ブランドもがひしめき合う中から、CLUTCH編集部が見つけた注目のブランドを老舗から新鋭まで、ランダムに紹介しよう。まずはこちらのブランドから。
フランスのブリタニー地方発祥のブランド「ARMOR LUX」は、多くのスターに愛されたブレトンストライプのバスクシャツがあまりにも有名である。質実剛健なワークウェアとして幅広い年齢層に向けて展開。2004年からフランス郵便公社との契約を結び、フランス郵便局員すべての制服を生産、管理配給する事業もスタートした。アイコンとなるカットソーのカラーバリエーション、現代風にアップデートした形を提案しラインナップは充実しているため、見応え、選び応えも期待できる。
“あまり知られていない”、”歴史的な新感覚”、なヴィンテージを造り直すことをテーマに、第二次世界大戦後生産された洋服を再現すべく、現代のエッセンスを盛り込んで新たに仕上げる「GARBSTORE」。本国のロンドンでオンラインショップを構えると同時に、ミリタリーテイストをモダンに仕上げるオリジナル商品を「COUVERTURE AND THE GARBSTORE」としてメンズから生活用品に至るまで幅広く展開している。スウェットやTシャツ、ミリタリーシャツなどスタンダードな商品が主なラインナップではあるが、カラフルなパッチワークの切り替えが目を引くワークジャケットなども。
http://couvertureandthegarbstore.com/
ロッカーズカルチャーの台頭とともに、’60年代にレザージャケットはカフェレーサーとして当時のロンドンでは最高にクールな存在となった。そんなカルチャーの動きに走行して、1876年に創業した「JAMES GROSE」のルーツは、自転車やオートバイ、車のパーツ、アクセサリー、衣料品を扱う小売店で、当時は「JAGROSE」というオリジナルブランドを中心に販売していた。1950年代には、スポーツ用品やアウトドア用品など取り扱い商品の幅を拡大。ロンドン北西部に国内最大規模のスポーツ用品店を構えるなど英国市場での地位を確立。その後、不況の煽りを受けて1970年代に閉鎖したが、今年約40年ぶりにイーストロンドンのバイカーズジャケット専門工場で復刻した。アーカイブのクラシックスタイルをディテールまで再現しつつ、細身なシルエットでモダンに仕上げたライダースジャケットを提案する。
ウィメンズのラムスキンを使用したレザージャケットも細見のシルエットで展開
https://www.facebook.com/James-Grose-1876-1587047314956352/
アメリカでアイビーリーグに愛用されて有名な「J.PRESS」。そこでテーラード、スポーツウエアの革新を行った前クリエイティブディレクターであるMark McNairy 自身が、2008年から繰り広げるシューズブランド「Mark McNairy」。伝統的な靴の聖地でイギリス・ノーサンプトンとアメリカで生産される。J.Pressなど他ブランドでは表現できない独自性を持ち、アイビーとミリタリーのるつぼとなるブランドを再建し続けている。
今回の展示会はひとしきりストリートウエア傾向のあるロンドンが会場であるだけに、スポーツウエアを中心としたストリートウエアブランドが総じて目立っていた。中でも、頑丈で柔らかい革を使用したレザージャケットのみを展開するロンドン発新鋭ブランド「SENSE OF DANGER」は、深見のある色使いの展開と異素材を使って切り替えを駆使している。
https://www.senseofdanger.co.uk/
依然として、リーバイス人気はロンドンでも引き続き高い。スニーカーやデニムなどのストリートスタイル熱の一向に冷めやらぬ都市ロンドンでは、それに応じてか、ヴィンテージに限らずジャケットやデニムの愛用者は後を絶たない。
●Jacket Required London 2016
http://www.jacket-required.com/
(Photo by Takashi Okabe 岡部隆志、Text by CLUTCH Magazine 編集部)
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