「止まる」を考える。
BikeJIN/培倶人 2019年7月号 Vol.197
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2015.08.27
「天空の城」をはじめ、世はまさに雲海ブーム。なかでもいま大注目なのが、熊本県・阿蘇ミルクロードのひとつ「ラピュタの道」だ。見渡す限りの草原地帯に、雲海へとつながる1本の道。まさに映画のワンシーンのような光景に魅了される人が続出している。
バイクツーリング専門誌『BikeJIN』編集部の中村編集長は、自らを“雲海ハンター”と呼ぶほど、雲海によく遭遇するという。そもそもライダーは、日本全国津々浦々、バイクに乗って旅をするわけだから、こういった絶景スポットにはめちゃくちゃ詳しい。もちろん、この「ラピュタの道」もずいぶんと前から注目をしていた。
「ラピュタの道」の正式名称は「阿蘇市道狩尾幹線」といい、世界最大のカルデラ・阿蘇の外輪山北東部をめぐるミルクロードの一部。視界をさえぎるような高い木々がなく解放感が味わえるのでライダーにとっては定番の絶景道だが、ここ最近は雲海に浮かぶ道の様子がジブリ映画の「天空の城ラピュタ」を思わせると話題を呼び、さらに人気が高まっている。
『BikeJIN』中村編集長によると、雲海が発生する道は珍しいものはないという。そこそこの標高があり、地形や気象状況、早朝という条件が合えば、各地で見られるというのだ。
そこで、雲海が見られるスポットの中でも、クルマやバイクで行ける絶景雲海ロードを教えてもらうことにした。今後、「ラピュタの道」のように話題になりそうなので要チェックだ。
○国道最高標高からは圧巻の景色が広がる
群馬県・草津温泉と長野県・中野市を結ぶ「志賀草津道路」。約50kmにおよぶ山岳ロードで、途中、国道最高標高地点を迎える。標高2000m超えの絶景は言葉が出ないほどの圧巻の景色! 草津温泉に泊まって、朝早く出掛けてみるのもいいだろう。
○運が良ければ、雲海と紅葉の両方楽しめるかも
富士山麗の南側に広がる樹林帯を抜ける「富士スカイライン」からは、駿河湾を見下ろす大パノラマが堪能できる。例年10月上旬から紅葉がはじまり、11月上旬には見頃を迎えるので、運が良ければ雲海と紅葉の2つの絶景が一緒に楽しめる。
山間部で見られる雲海は、放射冷却によって発生する大量の霧が幾重にも重なる自然現象のこと。なので、出向いたところで出合えるかは運次第だが、発生に適する条件を知っておけば出合える確率もグンっとアップする。
天空の城で有名な竹田城跡がある朝来市によると、時期は9月~11月の明け方~午前8時頃、そして湿度が高く放射冷却で気温が下がり、風の少ない晴れた朝が好条件だという。まさにこれから秋にかけての時期は、雲海に出合えるチャンスが高まる絶好のシーズンというわけだ。
いつもより早起きをがんばれば、これまで出合ったことのない感動の絶景が待っているかもしれない。今年の秋の行楽シーズンは、雲海と出合う旅に出掛けてみよう。
(K)
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