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Discover Japan_TRAVEL 山の都・匠の国 飛騨高山
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2017.06.23
その可憐な姿と独特の書き味が、文房具好きに大人気のガラスペン。ペン先までガラスで作られ、書くときはインクをちょん、と付けるだけ。インクを入れ替える必要がないため、インク愛好者たちにとっては何色ものインクを一度に楽しめるというのも魅力だ。これからの季節に涼と書くことの楽しみを届けてくれるガラスペンの歴史を、文具専門誌『趣味の文具箱』の清水編集長に語ってもらった。
ガラスペンは一見するとヨーロッパ発祥の古来からある筆記具のような佇まいをしている。実は、その歴史は意外にも新しく、約110年前の1902年(明治35年)に誕生した。さらに意外なのは、発明したのは日本人で、風鈴職人の佐々木定次郎さんであること。日本発祥のペンなのだ。
ペンのジャンルとしては、ヨーロッパの中世から普及している「つけペン」の一種だ。ボトルのインクにペン先を付けて筆記する。ガラスペンの特徴は、毛細管現象を利用していること。ペンの穂先には溝があり、そこにインクを溜めることで、つけペンに比べて多くの文字を書くことができる。長く書けるものでは、一度インクを付けたら便箋一枚くらい書けるものもある(溝の深さやペン先の字幅の太さによる)。
ペン先だけがガラスで、軸は木などを使った簡素なモデルもあるが、現代のガラスペンは軸にもガラスを使い、様々な技法で装飾を懲らしたモデルが主流となっている。
(写真は職人・川西洋之氏による「川西硝子」と『趣味の文具箱』のコラボによるガラスペン。『川西硝子×趣味の文具箱 オリジナルガラスペン 趣味の文具箱限定ブルー』)
ここ数年、万年筆インクの人気が上がり、色数も飛躍的に増え続けている。ガラスペンのペン先は水に付けるだけで簡単に洗うことができるので、コップに水を入れておくだけで、ほぼ同時に何色ものインクを使い分けができることも人気の秘密だ。
●清水 茂樹(『趣味の文具箱(略称:趣味文)』編集長)
1965年、福島県会津若松市生まれ。2004年より文具情報誌「趣味の文具箱」編集長。「ステーショナリーマガジン」「ノート&ダイアリースタイルブック」も手掛ける。ソリッドな黒軸、ネイビーブルー色のインク、風合いが育つ革、手のひらサイズなどが大好き。
(出典:『趣味文CLUB』)
(ヨシザワ)
趣味文CLUB
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