快適な自宅作業。
flick! digital (フリック!デジタル) 2020年5月号 Vol.1 ...
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2016.08.30
スマートフォンの普及により、私たちの生活は大きく変わった。いまモバイル通信規格である「5G」の開発が進められており、それが実現すれば未来のライフスタイルは今とはまったく違う形になるという。いったい、「5G」ってなに? 未来にどんなことが起こるのか? いま知っておきたいキーワード「5G」を通して、来るべき未来を紹介しよう。
5Gとは、「3G」、「LTE」、「4G(LTE-Advanced)」と進化してきたモバイル通信規格の次の世代。たとえば動画をスムーズに見ることができるのは、このモバイル通信規格が進化したおかげ。開発を進めるドコモによれば、5Gになればさらに速度と容量のどちらも飛躍的に向上し、データのやりとりの遅延も少なくなる。その結果、様々な分野でこれまでの常識が覆るようなことが可能になるという。
たとえば旅。これまで送れなかった膨大な量のデータを5Gによって即時に送れるようになれば、リアルタイムでVR(バーチャルリアリティ)などの超高解像度の映像を見ることもできる。そうなると、自然条件などが問われる光景を日本にいながらにしてバーチャルで体験する、というようなことも叶う。極寒のアラスカで、その瞬間に現れているオーロラを日本のリビングで眺めることもできるのだ。
医療の現場に5Gが取り入れられれば、「遠隔手術」も可能になるかもしれない。5Gによってタイムラグなく高解像度の映像が送れるようになれば、離島にいる重症患者を遠く離れた国の名医が手術する、なんてことも夢ではなくなるはず。身近なところでは、5Gによってスマートフォンやウエアラブル端末のセンサーでより多量の情報をタイムラグなく常に収集・解析することが可能になれば、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防や早期発見にもつながるかも。
5Gは道路環境も大きく変える。街のどこに人がいて、その方向に進んでいて、他の車はどう動き、信号はどう示しているか……そうした大量の情報をリアルタイムに収集・解析することが5Gによって可能になれば、人が運転せずとも自動車が目的地まで安全に連れて行ってくれるという「自動運転」の時代がやってくるかもしれない。角から子どもが飛び出してくることを自動車が自動的に察知、角にさしかかる手前でブレーキをかけて交通事故を防いだ……。そんな実例も生まれるだろう。
実際に、自動運転の研究は着々と進められている。たとえば、いまドコモが進めている九州大学(伊都キャンパス)の学内バス自動運転プロジェクトが好例だ。キャンパスとバスをネットワークで連携させることで、進行方向の危険を検知したり、効率のよい経路を選べるようにするという。テクノロジーが人の命を守ってくれる未来も、遠くない。
冒頭で「5Gになればさらに速度と容量のどちらも飛躍的に向上」すると述べたが、実際にはどれほど変わるものなのか?
5Gの特徴は、LTE(導入当初)の
速度=100倍
容量=1000倍
遅延=より少なく
というもの。たとえば速度でいえば、4Gで現在、最高375Mbps(毎秒375メガバイト)まで高速にデータが通信可能になったが、これが5Gの世界ではケタ違いの10Gbps。毎秒10ギガバイトの情報量が行き交うことになる。
年々増加傾向にあるデータ量は今後も減ることはなく、ドコモの予想では、2020年代は2010年の1000倍超のデータ通信が行われることになるという。5Gはそんな「情報のビッグバン」に対応し、世の中をもっと快適にする希望の技術なのだ。
5Gの実現により、また新たな技術の進歩が生まれる。世の中は5Gを基準に、いま私たちが「想像もつかない」形に変わっていくだろう。もっと心地よくて、もっとワクワクさせてくれる未来の毎日。すぐそこまで来ている、5Gの時代に期待したい。
【NTTドコモ Style’20 スペシャルサイト】
http://style20.jp/?utm_source=ei-publishing&utm_medium=text&utm_content=00001&utm_campaign=style20
(イラスト=ユリコフ・カワヒロ)
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