2017.07.07
四国の魅力を自転車で堪能! この夏行きたい、四国一周サイクリングコースの旅
広島~愛媛間にある瀬戸内海の島々をつなぐしまなみ海道は、サイクリストの聖地としても知られ、国内外から多くの人が訪れます。実際に、この区間で自転車をレンタルする人は2008年の3万5千人から、ここ10年でなんと13万5千人まで増えているそうです! そんなしまなみ海道に続けと、今回新たに誕生したのは四国一周1000キロルート。愛媛県を起点に、四国全県の魅力を味わえるサイクリングコースの一部をご紹介します。
サイクリスト目線から生まれた新ルート
約10日間かけて一周するサイクリングコース。四国の魅力を感じるスポットはもちろん、宿やトイレなどの休憩所、自転車のメンテナンスができるショップなどにも困らないように、ライダー目線で細かく調査を実施し、設定されました。ルートを辿りながら、そこから立ち寄れる絶景スポットがこちらの4カ所。
1.糸山公園展望台(愛媛県)
思いのままに走ってみるのも絶景に出合えるチャンス! 糸山公園展望台はコース外だが、ここは、しまなみ海道の名所である来島海峡大橋や、瀬戸内海の多島美を大パノラマで眺められる最高のスポット!
2.五色台(香川県)
紅峰、黄ノ峰、黒峰、青峰、白峰山の5つの峰が名前の由来。峰の間を縫うようにしてスカイラインが走っており、各所に絶景のポイントがある。写真は五色台の先端からみた夕景。
3.鳴門スカイライン(徳島県)
長い上り坂の先にある絶景。海の上に点在しているのは海苔の養殖船。たくさんの島が浮かぶ瀬戸内海ならではの景色が広がる。
4.四万十川(高知県)
ドラマのロケ地としてもよく使用される四万十川の沈下橋。秘境といわれる四万十川の代表的な光景。沈下橋とは水位が低いときのみ使用可能な橋を指す。
四国一周ルートがつくりたい! 現役プロライダーの夢が形に
四国一周1000キロルート。このプロジェクトに大きくかかわったのは、現役プロライダーの門田基志さん。門田さんは愛媛県今治市出身で、高校生の頃から自身が住むこの四国を自転車で一周できるルートをつくりたいという夢を描いていたといいます。
「自転車好きが一日で移動する距離って、100キロを越えるんです。だから、サイクリスト目線で旅を考えたときに、各県ごとに魅力をPRされてもサイクリストには響かないんですよね」……納得です。自分が見たい景色、食べたいもの、それがどこの都道府県に属するかは、訪れる側にはあまり関係のないこと。
「今回紹介したルートは、四国の『外枠』をめぐるサイクリングコースですが、島全体の文化を存分に体感できるルートであり、サイクリストにとって『ちょうどいい』大きさなんです」と門田さん。
●門田基志さん
世界最大の自転車メーカー、ジャイアント所属のプロサイクリスト。愛媛県の自転車に関するいくつかの公共事業にも参加し、自転車文化の発展に日々奔走している。
景色も文化も食も、まるごと体験できるのが自転車旅の醍醐味
自転車旅の魅力はライディング中に見られる景色だけではありません。このルートを走るだけで、四国全県に根付く文化や食を学ぶことができるのです。
善通寺は弘法大師生誕の地。一般参拝者も宿坊に宿泊可。自転車の休憩地点としても◎。
【DATA】
●善通寺
住所:香川県善通寺市善通寺町3-3-1
電話:0877-62-0111
香川の人気うどん店「うどんバカ一代」の釜バターうどん。なんと朝6時から営業。
【DATA】
●手打ち十段 うどんバカ一代
住所:香川県高松市多賀町1-6-7
営業時間:6:00~18:00
定休日:なし
電話:087-862-4705
徳島県庁横にあるヨットハーバー。市街地にヨットハーバーが見られる地域は全国的にもめずらしい。
愛媛県内子町。江戸や明治の面影が今も残る、まるでタイムスリップしたかのような街並。
お遍路文化が生んだ、旅人にとっての心地よさ
「四国って、1200年のお遍路文化のおかげか、住民が旅人を当たり前に受け入れてくれるんです。自転車に乗っていると、知らない人が親戚のおじさんみたいに話しかけてきて、『おなかすいとらんか、これ食べぇ』って(笑)。それが日常。だからサイクリストにとってもすごく心地よい旅ができるんです」と門田さん。
そんな人と人との触れ合いは自転車ならではの醍醐味。旅先での景色、食べることひとつをとっても、自分の身体を動かして得た感動はひとしお。一周するのに約10日間かかるコースですが、まずは気になる場所を1泊2日で走ってみてはいかがですか? きっといままで体験したことのない四国に出合えるはずです。
【問合せ】
●愛媛県企画振興部自転車新文化推進室(愛媛県自転車新文化推進協会)
電話:089-912-2234
(出典:『Discover Japan』)

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