この旨さ、悪魔的!!
悪魔のおつまみレシピ
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2018.01.15
ますます寒くなる季節にぴったりな燗酒を、自宅で美味しくつけてみたい。そんな願いをもとに、燗酒名人の主人の店「蒼穹」の門を叩いた。実はとてもシンプルだった、お燗のつけ方とは?
1.必要な道具は?
たった3つです。徳利またはちろり、味見する酒器、鍋。用意するべき道具はたったこれだけ。酒を温めるものと味見をする酒器、お湯を入れる手鍋か深めのミルクパンなどでOK。
2.徳利とちろりの特性は?
徳利はじっくり、ちろりはスピーディ。燗酒をつけるために必要な酒器。陶器の徳利はじっくり温度を上げたり、ぬるめの燗をつけるのに向く。一方ちろりは熱伝導率が良いため、早めに温度を上げることが可能。
3.飲むための酒器の選び方は?
すいすい飲むなら平盃を、じっくりちびちびは猪口を。平盃は飲み口が広いため、酒を注いだときに温度が下がりやすく、熱めの状態をぐいっと飲むのに最適。小さな猪口は温度を保ちやすいので少しずつ飲むときなどを目安にどうぞ。
4.どこまで日本酒を注ぐ?
徳利の首まで注ぎましょう。徳利を使って燗をつける場合は、首の部分まで日本酒を注ぐ。湯につけてしばらく経つと、温度が上がることにより酒が膨張してくるので、燗をつける温度の一つの目安となる。
5.温度の目安はある?
手の感覚を頼りにする。少し湯につけたら一度、徳利のお腹部分をぐっと手で握る。多田さんの場合「やや手を離したくなるくらい熱いとだいたい50度くらい」。徳利の底も触ってだいたい同じ温度か確かめてみる。
6.美味しい燗つけの秘訣とは?
必ず二回以上味見をすることです。多田さんいわく「自分好みの味に仕立てるためには、とにかく味見を。身体で覚えるのが大切です」。銘柄や数値にとらわれずに味見しながらつければ、さらに燗酒をつけるのが楽しくなるはず。
「蒼穹」店主・多田正樹さん
日本酒を提供する数々の名店で燗番をつとめ、2017年4月に「蒼穹」を開店した。酒の個性を引き出しつつ、体にすっと馴染む優しい味の燗酒に定評があり、ファンは多数。
【DATA】
●蒼穹
住所:東京都新宿区神楽坂5-7
営業時間:17:30~22:00(L.O.)
電話:050-3187-7168(ご予約・お問い合わせ)
定休日:日祝・不定休
寒い季節に恋しくなるのが、あつい燗酒。何やら難しい技術がいるイメージがあるけれど、実は拍子抜けするほど簡単だった。たくさん味見をして、自分好みの温度を探してみてほしい。この冬は、飲めば温泉に浸かったような気分になれる燗酒で、心地よく酔ってみるのがおすすめだ。
※この記事は2017年12月6日発売『Discover Japan 2018年1月号 Vol.75[付録あり]』P52~53の内容の一部を掲載しています。
(出典:『Discover Japan』、text:Akira Narikiyo・Kiyoko Yamauchi、photo:Kiyono Hattori)
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