日帰りソロチャレンジ
BiCYCLE CLUB 2020年6月号 No.422
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2017.12.29
尾道から今治までの島々を渡り、海風を感じながらサイクリングを楽しめる「しまなみ海道」。景勝地や史跡、ご当地食など、立ち寄りどころ満載でサイクリストに大人気のルートだ。およそ70kmのツーリングを、1泊2日のバイクパッキングで満喫した。
昨年、スポーツバイクのフレームを購入し、バイクパッキング用に自分で1台組んだ。そのきっかけは、ライトウエイトな装備を自転車に直接装着させた手軽なバイクパッキングのようすが、アメリカのアウトドア雑誌やウェブサイトに度々登場していたからだ。今年も数回走ったが、年内にもう一度キャンプ道具を積んでバイクパッキングに行きたいと思い、「しまなみ海道」へ向った。
そこは広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ、瀬戸内の6つの美しい島々を走ることのできるサイクリングコース。途中にはキャンプ場もいくつかあり、さまざまなコースで旅の計画を組むことができる。もちろん宿も多く、天候が悪化すれば宿に逃げ込むなど、繁忙期を除けば臨機応変に対応できる。
また、それぞれの島を渡る橋には、初心者でも登りやすいようにゆるやかな傾斜の専用道路があり、充実したレンタサイクルや、シャワールームなどをはじめとした自転車乗りたちをサポートしてくれる施設も豊富だ。尾道駅にも今治駅にも自転車組み立て場があるので、組み立て準備も撤収も落ち着いて作業できる。
現地までの移動は輪行袋に自転車とキャンプ道具収納した。とくに駆動系は注意し保護し、クローズドセルのスリーピングマットを緩衝材としても使った。フロントバッグには少し軽めの寝袋とダウンウエア上下を中心に、シートバッグにはテント、ポール雨具など少し重い道具。フレームバッグには調理道具や行動食と重量配分を考えてパッキングして、走行中のストレスを軽減するように心がける。バックパックには着替えを詰め、買い出した食材なども入れられるように少し余裕ももたせた。
自転車は歩くよりも早い速度で移動できる。そして車と違い立ち止まりやすい。より自由になった気分で旅ができる。とくにしまなみ海道のような自転車乗りを歓迎してくれるコースは初めて訪れる人でも走りやすく、その良さを感じやすい。
旅の途中風が強く吹くも、景色は最高で紅葉もよかった。だが立ち寄りたい場所はまだまだいくつもある。いつかまた、自転車にテントを積んで走りに訪れたい。
【profile】
小雀陣二(アウトドアコーディネーター)
各メディアでアウトドア関連の撮影サポートを行い、得意な料理を通じて手軽で簡単なレシピも発表。神奈川県三崎港前でカフェ「雀家」を営み、「キャンプ料理の王様」も『フィールドライフ』にて連載中。
スタートは駅の西側にある「ONOMICHI U2」から。併設のジャイアントストアではしまなみ海道の情報が手に入るだけでなく、自転車のレンタルもあので、こちらを利用してのしまなみ海道サイクリングも可能だ。
【shop data】
ジャイアントストア尾道
広島県尾道市西御所町5-11
TEL:0848-21-0068
営業時間:9:00~19:00
向島から隣の因島に。立ち寄った因島産直センターで、活き活きとした小松菜と島レモンを購入!「今夜はレモンチキンソテーかな~♪」と、夕飯のメニューを思わず想像。地のものを調理して食べるのもキャンプの楽しみ。
因島の次は生口島へ。夜の食材調達に急がなければいけないが、景色がいいところばかりで立ち止まってしまうのがしまなみ海道。いつまでも眺めていたい海沿いの景色に別れを告げ、足早にキャンプ場を目指す。
宿泊は大三島にある多々羅キャンプ場に。風を避ける場所にテントを張り、寝床の準備をしてほっと一息。結局夕食は島レモンポークソテーに変更した。キャンプ場もいくつかあるので、日帰りでゴールせずにのんびり走れるのはしまなみ海道の魅力でもある。
海沿いの道から見える朝日と朝靄が幻想的だったので、小さな港でひと休み。その後、大三島をあとにして「は・か・た・の塩」で有名な伯方島へ。塩入りのソフトクリームで舌鼓を打った。
最後の島、大島へと続く約4kmの来島海峡大橋は大迫力のひとこと。それぞれの島にかかる橋はこのツーリングの見所でもある。2日間でこれだけ迫力のある橋を渡れるコースは、なかなかお目にかかれない。
今治駅西口をゴールにした。すぐ近くにある「喜助の湯」という温泉へ。自転車ロッカーもあり、バイクパッキングの装備を付けたまま収納できる。ゆっくり温泉に入り、駅でパッキングしてから帰路に着いた。またいつか、ここを走りたい。
健康・生活・社会3つをテーマに、自転車による手軽なエクササイズや科学的なデータなど、インタビューやコラムを多数掲載した、自転車パーツメーカー「シマノ」が情報を発信するウェブサイト。自転車を日々の暮らしに取り入れて、人生をもっと楽しもう!
⇒ https://cyclingood.shimano.co.jp/
(文:小雀陣二、写真:亀田正人)
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