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FOR LIFE KITCHEN わたしだけの料理教室
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2016.12.06
「素材本来の味が引き出される」とか「断然料理がおいしく仕上がる」など、ウワサの「無水調理」。でも、水なしで料理すると何がいいの? どんな鍋でも無水調理って可能なの? ……気になる「無水調理」の基本をまとめてみました。
文字どおり、「水を使わない」で食材を料理する調理法。材料を鍋で煮る際に水を加えることなく、野菜などの食材から出た水分のみで加熱します。水分をたっぷり含んだ野菜は、「こんなに!?」と思わず言いたくなるほど、旨味たっぷりの水分を出してくれます。食材の美味しさが凝縮されているため余計な味付けは必要なし。素材本来の味わいを楽しむことができます。
無水調理の魅力は、なによりもまず、いつもの料理が格段に美味しくなること。中でも煮物や汁物は、先に食材を無水で調理しておくだけで味の骨格がつくられ、ダシがなくても十分。そのため、調味料を最低限の量ですませられます。
無水調理ができる唯一の鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を愛用するひとりで、レシピ本『バーミキュラで作るSHIORIの日々ごはん』を手がけている料理家のSHIORIさんは、バーミキュラの鍋で初めて無水調理を試したとき、ラタトゥイユを作り比べて味の違いに驚いたそう。「無水調理ができるバーミキュラの方が、野菜の旨味がしっかりと引き出され、野菜の味がより濃く感じられました」。野菜をふんだんに使用した煮込みなど、シンプルな調理法のレシピがよりその魅力が伝わるようです。
また、お鍋によって程度の差はありますが、無水調理だと食材の味だけでなく栄養も損ないにくく、より逃さずビタミンCやβカロテンなどの栄養素を摂ることができます。
そんないいとこどりの無水調理ですが、どんなお鍋でもできるわけではありません。野菜が持つ水分を逃さず抽出して調理できるのは、それだけ厳密にきっちりと密閉された鍋であることが第一条件。鍋の中で食材の旨味を循環させ、じっくりと食材に還元してくれるからこそ、無水調理の美味しさは生きてきます。
無水調理ができる鍋というのは限られ、たとえば鋳物ホーロー鍋ではバーミキュラが唯一の存在。無水調理は0.01mm単位の精度が求められるような、職人技の結晶で成り立つ究極の調理法ともいえるのです。
弱火でじっくりと煮詰められ、じんわり出てきた水分は、まさに食材本来の「スープ」。余すところなくいただく究極の調理法で作られた料理は、一度味わったら戻れない味とのこと。いくつもの調理法や調理器具を試してきたSHIORIさんを虜にする無水調理、試す価値、大ありです。
(ヨシザワ)
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