超ラクお弁当の作り方
簡単!のっけ弁当の本
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2016.02.15
大事な家族には、できるだけ手作りのものを食べさせたい。小さいお子さんがいるお母さんなら、その思いはより一層強いのではないでしょうか。
でも、自分も外で働いて、毎日毎食手作りするのは、本当に大変。仕事から帰って、そこから台所に立って、朝は朝食とお弁当の準備をして……なんて、とても続けられない!
どうしたら仕事と毎日の食事づくりを両立できるのか。私たちがそのヒントを教わったのは、音楽家である良原リエさん。アコーディオンやトイピアノ奏者として忙しく飛び回る良原さんは、旦那さんと息子さん一人と暮らしています。日々忙しくしている彼女がどうやって日々食事づくりをしているのか、その答えは“作りおき”に隠されていました。
以前はいかに食べる人を喜ばせるか、どうしたら楽しい食卓になるかということに重きを置き、変わったレシピや見た目にこだわっていたそう。それが、妊娠・出産を機にがらっと変わったと話します。
「まず、美味しい母乳を追求したら、シンプルな粗食が一番だということにたどりつきました。粗食だと身体の調子がいいんです」
「子どもは身体が小さいので、食べたものの影響が体調によく出ます。やはり調子が良くなるのは、シンプルな料理でした」
息子さんが母乳から本格的に食べ始めるようになり、食べてもらいたい料理と、そうでないものを日々考えるようになったと言います。自分が作った料理で大きくなってもらいたいから、と幼稚園はお弁当制のところを選択しました。
ところが良原さん、実は朝が苦手。そこで対応策として取り入れるようになったのが、作りおきでした。
「息子はまだお箸がうまく使えないので、つまみやすく食べやすいものを、と考えると、ある程度品数が絞られてくるんですよね。それを一気に作って、冷凍したり」
バランス面から野菜、海藻やきのこをたっぷり、肉や魚を少し、という和食中心の作りおきメニューが多い普段の食卓。ひじきのように、ぽろぽろするものは数日は煮物などにして食べて、お弁当用にはチヂミにするなど、良原さんの工夫は、息子さんへの愛にあふれています。
ただ作りおきのおかずをあらかじめ用意しておくだけではありません。良原さんならではの工夫は、その常備菜を作ってからの展開ワザにありました。
「外で仕事もしているので、そこまで料理に時間は割けません。だから、煮物など、そのまま食べられるおかずを一度に大量に作っておいてから、家族みんなが楽しめる味に適宜展しています」
たとえば、良原家の食卓によく登場するひじき。基本はオリーブ油で炒めておいて、チヂミの他、梅酢をかけたサラダにしたり、定番の煮物、先述のチヂミにしたりするといいます。梅酢は良原さん、煮物は旦那さん、チヂミは息子さんの好み。一つのメニューで、いかに家族みんなが楽しめるかということと、食べ残して無駄にならないかを考えているそうです。
良原さんにとって、調理方法や器具も大事な要素。
「例えばオーブンがあれば、魚を焼いたり揚げ焼きもできて、掃除が楽です。バットは調理からサーブ、保存も一つで完結します」
味付けの引き出しを増やしておくことも、助けになるそう。フルーツや香味野菜、クミンや粒マスタード、こしょうなどのスパイスのほか、オリーブオイルやバルサミコ酢、自家製の塩麹まで、メニューには様々な調味料が登場します。
限られた時間のなかで日々食事づくりを続けるためには、作り手である自分に無理をさせないことが絶対条件。だからこそ、賢く楽をする手段を取り入れるのが、一見難しい外仕事と家事の両立を叶えるためには必要なのです。良原さんの食事づくりは、毎日忙しいはずなのに本当に楽しそう。
「味つけは飽きないように、実験するような感覚で、いろいろ試します」
毎日の自分を助けてくれる小さいけれど、たくさんの工夫。そして、そんなオリジナルの工夫を自ら見つけることを楽しむ心。この2つを持つことが、家族の笑顔をつくり続けるためのなによりのヒミツなのかもしれません。
○良原リエさん
主にアコーディオンやトイピアノ奏者として、国内外で活動している。映画『コクリコ坂から』をはじめ、テレビ番組やCMなど、メディアでも多数演奏。著書に『音楽家の台所』(コノハナブックス)など。
(ヨシザワ)
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