超ラクお弁当の作り方
簡単!のっけ弁当の本
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2016.03.03
旦那さんのために、子どもたちのために。家族を思ってつくるお弁当は、やっぱり特別なもの。料理研究家のたくまたまえさん夫婦の間では、どうやらお弁当が大事な役割を果たしているようです。毎日のお弁当づくりをもっと楽しむヒントは、いったいどこに隠れているのでしょうか?
たくまたまえさんのお弁当づくりは、奇をてらうわけではなく、“頑張りすぎない”。自営業のご主人は土日も仕事に向かうことが多く、お弁当作りはほぼ毎朝。だからこそ、凝ったものより、食べる人が好きなものを入れるように心がけていると言います。
「夜のうちに冷蔵庫を見ておかずを決めておくのが日課。そうすると朝慌てずに作れます」
食材は夫婦2人の夕食作りで余ったものなど、冷蔵庫にある素材を上手くつなげてお弁当のおかずにするそう。たとえば、1パック買って使いきれなかった肉や魚は味噌漬けにしておくとご飯が進むおかずに。4~5株残ったほうれん草はツナを加えて和え物に。
「メインはちょっと頑張るけど、サブのおかずは簡単なものばかり。だから品数があるように見えて、そんなに手間をかけずに作れるんです」
食べる人のことを思いながら、あくまで気負わないたくまさん。詰め方も、基本となるマイルールがあれば迷いません。まずはご飯から、次に形のしっかりしたおかずを、最後に和え物などを隙間に詰めて……。
「毎日作るのって大変だと思うかもしれないけど、主菜も副菜もまずはレシピを見ないで自分が安定して作れるもので、食べる人が好きなものが3~4パターンあればいいんじゃないかな。意外と飽きないものだし、味を変えれば展開もできるし」
肩肘を張りすぎないけれど、食べる人のことを思った工夫がたくさん詰まっているのも、たくまさんのお弁当。仕事の合間に食べるから「好きなものを楽しく食べてほしい」と、ご主人の好みやリクエストにはしっかり応えます。
たとえば、苦手な魚はご飯が進む照り焼き味にしたり、白米の間には好物の海苔を入れたり。
また、見た目からも楽しんでもらえるよう、芽キャベツなど色や形が“かわいい”野菜を焼くだけの簡単おかずで彩りを調えたり、季節の変わり目を感じられるよう、副菜には旬の野菜を忍ばせたり。
美味しく食べられるように、反応を見ながらあれこれ工夫を欠かしません。
「カツを串カツにしたら嬉しかったみたい」
「ウインナーをタコにしたらそういうのはしなくていいって言われて(笑)」
お弁当について話すたくまさんは、とっても楽しそう。お弁当作りを単なるルーティンにせず、時には遊び心を発揮して、作る方も楽しんでいる、というのも、幸せ弁当の秘訣なのかもしれません。
夕食がカレーの時は翌日のお弁当にもカレーが登場。だけど、“普通”には詰めないところが、たくまさん流。最初にカレーを入れ、上にご飯をかぶせる。「食べると下からカレーが出てきてびっくりするでしょ」……たしかに同じ夕飯のおかずでも、これだけでずいぶん受け取り方が変わりそう!
お弁当は、夫婦の絆をつないでいくのにも一役買っているようです。
「主人が帰ってくると、“お弁当どうだった?”って聞くんです。そしたら、“美味しかったよ”って。“何点だった?”って聞くと“100点満点!”って。このくだりは、毎日やってるの(笑)」
毎日のことだから大変、ではなく、毎日のことだから楽しくする方法を考える。お弁当づくりは、ポジティブに付き合うのが、ハッピーに続ける秘訣なのかもしれません。
○たくまたまえさん
東京の下町生まれ。旬の果実や野菜で作る保存食がイベントなどで人気に。著書に『たまちゃんの夫弁当』(主婦と生活社)、『たまちゃんの保存食』(マイナビ)。毎朝作るお弁当を紹介するブログも楽しい。http://tamaetakuma.tumblr.com/
(ヨシザワ)
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