手土産セレクト術。
心を掴むビジネス手土産
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2015.05.08
1)「一口」、2)「京」、3)「鉄」、4)「直下」、5)「肥満」、6)「日本」。
ビジネスマンなら、名刺交換の際に「この名字はなんて読むの?」と悩んだことがあるだろう。しかも、前述のような読めるけど正しいのか微妙な名字はけっこう手強い。「なんとお読みすれば?」と尋ねてしまえばいいのだが、「常識がないと思われるかも…」と考えるとなかなか口に出せない。しかも初対面の人である。
ところで普段、何気なく使っている名字だが、よく似た“姓”とは違うものだということをご存じだろうか? 姓とは天皇から豪族・臣下に与えられたもので、「蘇我」氏、「源」氏、「平」氏、「藤原」氏などを指す。一方の名字は、姓だけでは区別がつきにくくなったため、自分たちから名乗り出したものだ。
例えば、徳川家康の正式名は「徳川次郎三郎源家康(とくがわ、じろうさぶろう、みなもとの、いえやす)」で、「徳川」=名字、「次郎三郎」=名乗り(通称)、「源」=姓、「家康」=名前、に分類される。
なんだかややこしい姓と名字の見分け方にはポイントがある。「源」を「みなもと“の”」、「平」を「たいら“の”」と姓には“の”がつく。つまり、私たちが普段使っているのは、姓でなく、名字になるのである。
さて、名字によっては「なぜ?」と頭をかしげてしまう、当て字にすらなっていない読み方もある。しかし、それをひも説いていくと、実に日本らしい、粋な由来があったりするから面白い。
例えば「薬袋」はなんと「みない」。諸説あるが、山梨県に多い名字から戦国武将の武田信玄が関係しているといわれ、御館様が薬袋を落としても、家来は中身は「見ない」。つまり、御館様の持ち物、しかも健康状態が分かってしまう薬を見てしまったら大変なので、見えても、「見ない」というわけ。
そして「小鳥遊」。これは「たかなし」と読み、小鳥が遊ぶには敵となる鷹がいない方がいい、つまり鷹無=たかなし。なかなかトンチが利いている。他にも「栗花落」で「つゆり」。これは、栗の花が落ちるころが梅雨入り(つゆいり)だったことから派生したそう。「月見里」は「やまなし」。月を見るには山がない方がいいので、山無=やまなし、というわけ。どれも日本らしい風流な由来を持っている。
1)「いもあらい」、2)「かなどめ」、3)「くろがね」、4)「そそり」、5)「ひまん」、6)「にっぽん」
ここで紹介したのは実在する(もしくは実在した)名字だ。まぁ、実際にこんな名字の人に出会う確率はかなり低いだろう。だからそんな人たちに出会ったら、せっかくなので素直に「なんとお読みすればいいのでしょうか?」と尋ねてみよう。そこから話が弾み、商談のきっかけにもなるかもしれない。
(K)
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