本づくりの原点がここに。
しずけさとユーモアを 下町のちいさな出版社 センジュ出版
© 1999-2021 Ei-Publishing Co.,Ltd.
2015.05.09
「ベランダのスペースを活用して、プランターの家庭菜園を作り、ちょっと彩りのある生活がしたい……」と思う人は多い。
ホームセンターに行って、プランターと土と種を買ってきて、植える……が、芽が出ない。もしくは芽が出ても、あまり成長しないうちに枯れてしまう。いつしか、ベランダには何も生えてないプランターがひとつ、ふたつ……という経験をお持ちの方も多いのではないだろうか?
都会に暮らしていると分からなくなってしまいがちだが、植物の栽培には『時期』つまり、気温や湿度などの気候がとっても大切なのだ。植物はある温度、湿度で芽を出す。成長するには適切な日照も必要だ。経験がないと「ちょっとぐらい違ってもなんとかなるかな?」と思ってしまうが、経験がないからこそベストなタイミングで植えないとイケナイ。また、気温、土の湿度、それを保つための粒度、水はけ、肥料の成分(チッ素、リン酸、カリウム)の割合も重要だ(たとえば、実がなる植物だとリン酸が重要とか)。
プロである農家の方が、季節を読み、厳密に種まきの時期や肥料を与えるタイミングを計るのはそういうワケだ。最適な時期に植えられた苗は、すくすくと成長するし、健康だから虫にも食われにくかったりする。
しかも、多くの植物は春に種を蒔くのがいい。梅雨の雨を吸収し、夏の強烈な日差しをエネルギーとして成長し、秋に実るのだ。秋植えの植物などもあるが、種類は少ないし、冬の間はあまり成長し過ぎずにずっと耐える時期になる。春に植える植物の方がずっと育てやすいし、生長も目に見えるから、初心者にも変化が分かりやすくモチベーションも保ちやすい。
それと種からゼロスタートするのは案外難しい。できれば一番難しい時期をクリアした『苗』を買ってきて植える方が失敗はない。そして、苗を植えるなら多くの植物はゴールデンウィーク前後が最適。というわけで、ベランダガーデニングを始めるのなら、まさに今が最適なのだ。
ベランダのプランターで植物を栽培するにはコツが要る。地ベタで植物を育てるのと違い、ベランダは乾燥しやすく、陽が当たると高温になるし昼夜の温度変化も大きい、風も強い。まずは、そんな環境で育てやすい植物を選ぶ必要がある。
一番簡単なのはベビーリーフ、ハツカダイコンなど。続いて、葉ネギやチンゲンサイなどの葉菜類。実がなるものは基本的に難しいが、ゴーヤやミニトマトなどは比較的容易だ。
ちょっと変わったものにチャレンジしたければ、芽キャベツはどうだろうか? 種まきは7月、苗で植えるなら8月でいいから、今から準備しても十分に間に合うハズだ。
1.種なら育てるなら育苗ポットに蒔き、水を切らさないように管理。芽が出たら日当たりと風通しのいいところに移動する。徒長した苗などを間引き、丈夫な苗を選んでいく。
2.順次間引いて、苗を一本立ちさせたら定植する。風通しのいい場所に置くのがポイント。
3.株が生長してきたら、株元に土を足して、土寄せを。本葉が出て生長するので1週間に1度ぐらい液体肥料を与える。葉の付け根をよく見ていると、芽キャベツになる小さな脇芽が現れる。この結球が付いたら、下の方の葉をカットして、球に日を当てる。
4.球が3センチ程度の大きさになったら、下から順番に収穫する。
収穫時期は11月から2月。オリーブ油で炒め、アンチョビソテーなどにして食べると美味しい。
自宅のベランダで育てた野菜なら安心だし、育つ過程自体も楽しいし、愛情も湧く。
時期に気を付け、それぞれの野菜の性質をよく知り栽培すれば、ベランダでもかなりいろんな野菜を栽培できる。ぜひ、チャレンジしてみて欲しい。
(村上タクタ+K)
詳しくはこちら!
¥1,320(税込)
(2015.04.23発売)
この記事を読んだ人におすすめの記事
あわせて読みたい