水戸の本気を目撃せよ。
水戸本
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2015.05.15
(写真:一乗院)
弘法大師・空海が真言密教の修行道場を開いた高野山。世界遺産に登録されている高野山は、仏教の聖地でもあり、今や海外から多くの旅行者が訪れる世界的な観光地となっている。修行の場として厳かな時が流れる一方で、昼間は多くの参拝者で賑わう。
そんな高野山は“おもてなし”も超一流で、なかでも特筆すべきはお寺に泊まる“宿坊”である。宿坊と聞くと敷居が高いと感じるかもしれないが、高野山の宿坊はかなり開かれていて、それこそインターネット宿泊予約サイトからでも申し込むことができる。現在は、52ヶ寺(2015年5月)で宿坊ができ、規模や設備、食事など、それぞれ特長がある。手の込んだ精進料理を提供している宿坊もあり、それをお目当てに訪れる人も少なくない。なんとお酒も提供してくれる。
とはいえ、一般の旅館とは違う宿坊。そこは僧侶の住まいでもあり、修行の場でもある。そこで、宿坊におけるマナーをおさえておこう。
(写真:一乗院)
その1)服装
とくに決まりはないが、派手な服や、女性は極端に肌が露出するものは避ける。
その2)食事
感謝の心をもって、ゆっくりと味わう。出されたものは残さず食べるのが基本。
その3)部屋での過ごし方
客室にテレビがある宿坊が多いが、他のお客さんや僧侶に迷惑をかけない程度のボリュームで。また、部屋でお酒を飲んでもいいが、まわりはとても静かなので騒ぐのはやめよう。
ん!? 意外にゆるいと感じた方もいるのではないだろうか。そう、感謝の気持ちと節度ある行動さえとれば、宿坊はそんなに堅苦しいものではないのだ。
宿坊といっても、修行をするわけではない。基本的に朝のお勤め以外はフリーだ。朝勤行は自由参加だが、これは宿坊した人だけが体験できるのでぜひ参加してほしい。凛とした朝のお堂できく読経は、背筋がピンと伸び、1日の最高のスタートが切れること間違いナシだ。
(写真:根本大堂)
前述のように、宿坊ではほとんどの時間が自由なので、空海ゆかりの地をめぐるのにもってこいだ。中心地は端から端まで、約3kmほどなので歩いて回るのにさほど苦労はしない。
「根本大堂」(壇上伽藍)
高野山のシンボル的存在。中に入ると大日如来を中心に5体の仏像が安置され、曼荼羅の世界を体感できる。
「金堂」(壇上伽藍)
高野山の重要な法会が行われる高野山一山の総本堂。開創1200年記念大法会では、初めて御本尊・薬師如来が公開された。
「奥の院参道」
手前から、一の橋、中の橋、御廟橋と続く。バスや車で中の橋付近まで行けるが、やはり一の橋から歩くのがオススメ。無数の供養塔と立派な高野杉。一歩足を踏み入れただけで、特別な場所だと感じることができるだろう。歴史好きなら、有名武将の供養塔を見てまわるだけでも半日は過ごせる。
「弘法大師御廟」
今でも空海が祈り続けている弘法大師御廟には、維那と呼ばれる僧が毎朝食事を運んでいる。献立は準備した人しか知らないが、パスタやカレーの日もあるとか。ちょっと意外。
「金剛峯寺」
豊臣秀吉が建立した高野山真言宗の総本山。さすが秀吉、建物から襖絵、庭園など実に優美で壮大だ。ここでも開創1200年記念大法会では、御本尊・弘法大師坐像が公開された。
高野山へのアクセスは、なんば駅(大阪)から南海高野線で極楽橋駅、そこから南海高野山ケーブルに乗り換えて高野山駅。さらにそこからバスで15分ほど移動してようやく中心地にたどり着く。まさに修行の場らしく、大阪市内からでも3時間はかかる。移動時間を考えると、高野山をゆっくりめぐるには宿坊するのがベスト。大きな行事や紅葉の時期などは、なかなか予約が取りにくいが、そんな時は「高野山宿坊協会」に相談してみるのも手だ。
●DATA
一般社団法人高野山宿坊協会
https://shukubo.net/contents/
TEL:0736-56-2616
(K)
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¥1,100(税込)
(2013.08.26発売)
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