ランナーボディを目指せ!
ランナー筋トレ
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2015.07.29
100年目の夏の甲子園開幕に向けて、地方予選を勝ち上がった代表校が続々と名乗りを上げている。そんな球児たちにとっての夢舞台・甲子園の整備を請け負っているのが、阪神園芸株式会社のグラウンドキーパーだ。球児たちに最高の舞台を用意するべく、心を込めて整備する彼らにスポットを当ててみた。
1日で最大4試合を行う高校野球のグラウンド整備は常に時間との戦いだ。阪神園芸株式会社の金沢健児は、大会期間中には1日約20人にもなるグラウンドキーパーに指示を出す。「ゲームセットになると次の試合の守備練習があるので、軽く整備します。本格的なものは守備練習後に行います。あと、試合途中の5回の整備では、荒れたところを均一に仕上げていきます」
甲子園のグラウンドキーパーといえば戦前から脈々と技術が受け継がれ、“土守り”と呼ばれる名職人がいたことで知られる。「辻(啓之介)さんなど偉大な先輩が数多くいらっしゃいましたが、気軽に話しかけられる存在ではなく、見て覚えるのが基本でした。自分で考えて判断できるまでに何年もかかりました」
土や芝に撒く水の量は天候に大きく左右される。「好天の日と曇りの日では量が違います。例えば試合終わりくらいに雨が降りそうなら水は撒けない。前後の天候、土への水の入り方で量を調整します」。水の量は1試合平均で2~3トンで主に井戸水を使う。1日4試合あればグラウンドの土だけで約10トンを撒く計算になる。中でもグラウンドを締め固めるのは水加減がすべて。まさに、グランドキーパーの経験と勘が頼りだ。
「甲子園でプレーできるのは、夢をかなえた子どもばかり。その舞台が期待外れだったと思われないよう、最高の整備をするのがグラウンドキーパー全員の気持ち。甲子園は投げやすかった、守りやすかったという声を記事などで目にすると最高にうれしいんです」
(K)
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