良いモノだから長く使える
デジモノマニアが選んだ超愛用品
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2016.05.10
「断捨離」や「ミニマリスト」など、必要最低限しかものを持たない考え方が昨今ブームだ。けれど実際に部屋の中を見回してみたとき、「生きるために必要かと言われると必要じゃないかもしれないけれど、どうしても捨てられないもの」や「他の人にしてみればガラクタかもしれないけれど、愛おしいもの」など、どうにも効率だけでは割り切れないもの、って意外と多い、ということに気がつく。
そんな“お気に入り”たちを泣く泣くばっさり切り捨てるだけが、片づける唯一の方法なのだろうか? ものとともに生きることって、できないのだろうか?
自分が気に入ったものと寄り添って暮らすことを提案するのが、包装作家(R)の正林恵理子さん。パリへの留学経験がある正林さんは、そこでフランス人の“ものの見せ方(収納)”というものに出会った。ショーウィンドーや、スーパーの陳列棚、野菜や果物がどさっと積まれたマルシェのカゴ、古い道具が無造作に並ぶ蚤の市の様子……。“ものを美しく見せながら収めるセンス”がいたるところにあったという。彼女がパリで見つけた、部屋づくりの鍵となる3つの考え方を紹介しよう。
収納とは、ものをあるべき場所に配置する(片づける)こと。ものが少ない方が良いのか? ものに囲まれていた方が落ち着けるのか? まず、自分が暮らしやすいと感じるのはどんな部屋なのかを知ろう。それから、ものを手放すのかを決めたり、残したものをどうやって使いやすく、すっきりと収納するかを考えよう。
「家にあっていいものは、役に立つものと美しいものだけ」というウィリアム・モリスの言葉があるように、役に立つものだけの生活は、部屋は広々としていても、なんだか寂しいものかもしれない。たくさんあるものを美しく収納すれば、自分の好きなものに囲まれて暮らす豊かさも味わうことができるのだ。
ものを買うタイミングや選び方で悩む人も多いだろう。悩んだ時は、そのものが、自分の部屋にある暮らしのイメージがわくかどうか、また、長く一緒に暮らしていきたいかどうかを一度想像してみる。違和感なく想像できたなら、それは役に立つもので、一緒に暮らすほどに愛着がわいてきて、お気に入りとなるはずだ。
一口で「片づいた部屋」といっても、ものが多くても片づいている部屋か、ものがなくてすっきりしている部屋かで、その印象は大きく違う。部屋を片づけるといって単純に、必要・不必要をジャッジしてとにかく手放す、と決めつけるのは、いささか乱暴だ。
「買うのも、捨てるのも、自分の気持ちを信じて無理をしないことが大事」
そう話す正林さんの部屋は、とても、ものが多い。それでいて、きちんと整っている。彼女の部屋が居心地がよいのは、ひとえに彼女が、「自分に合った、暮らしていて居心地がいい部屋」を知っているからだ。
さて、あなたの心地いい部屋はどんな部屋だろう? 捨てる前にできることがあるはず。じっくり考えてみるところから、片づけの時間は始まっている。
(ヨシザワ)
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