無敵の筋トレ成功の法則
2016.08.03
オリンピックを100倍楽しむためのトリビア【競泳】
撮影/森山 薫
2016年8月5日には、いよいよリオデジャネイロオリンピックが開幕する。4年に一度のスポーツの祭典を楽しみにしていた方も多いことだろう。28競技306種目の中でも、特に注目を集めるものに競泳がある。誰もが一度はプールで泳いだことがあり、そのなじみ深さも人気の理由なのかもしれない。ここでは競泳にまつわるトリビアをいくつかご紹介しよう!
第1回アテネ・オリンピックの自由形は平泳ぎだった
自由形の試合を観ていると、みんなクロールで泳いでいる。ならば、『クロール』という種目にすればいいと思ったことはないだろうか? なぜ『クロール』はないのだろう? そのなぞを解くには、競泳の歴史を紐解かねばならない。
実は、もともと水泳競技は自由形だけであった。1896年の第1回アテネ・オリンピックでも実施されたのは自由形だけ。速く泳げれば、泳法は何でもよかったのだ。そして、当時主流だった泳法は平泳ぎであった。一応、背泳ぎはあったが、まだクロールの普及前であり、泳ぐときに両手を別々に使う概念は少なく、背泳ぎも平泳ぎを裏返しにしたようなものだった。そのため、第1回アテネ・オリンピックの自由形は平泳ぎで行われた。
なお、第2回のパリ・オリンピックでは、この背泳ぎも種目として採用されている。このころには、新泳法としてクロールが登場。自由形は一気にクロール一色になっていく。このため、第3回のセントルイス・オリンピックから、平泳ぎに優れた選手の活躍の場を作るべく、平泳ぎが単独の種目として独立した。
さらに、平泳ぎの規定は『うつぶせで左右対称に手足を動かす』ことだったので、平泳ぎでバタフライをする選手が出現した。そして平泳ぎ界はこれに染まっていった。これでは平泳ぎという種目がなくなってしまうと危惧され、次のメルボルン・オリンピックからバタフライが新種目として独立。ここにきて、自由形・背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライという、今の4種目ができあがったのだ。つまり、今後、クロールを超える泳法がもし発明されれば、そちらが自由形の主流になり、『クロール』という種目が生まれる可能性はある。
取材協力/アスロニア
第7回までは、プールではなく海や川で競技した
1896年の第1回アテネ・オリンピックではプールの設備がなく、海浜にブイやボートを浮かべて競技を行ったという。以降も、セーヌ川(パリ)や運河(アントワープ)が使われ、1924年、第8回のパリ・オリンピックでようやくプールが使われるようになった。
現在では、水泳競技は室内で行うことが多く、水温の調節も可能だ。日本水泳連盟のルールでは、『25~28℃を基準とすること』と規定がある。ただし3℃も幅があるので、それによって有利不利もあるという。基本的に日本人選手は老若男女が使用するクラブのプールで練習することが多く、高めの水温に慣れている。このため欧米選手が苦手な28℃に近い高温でも平気なのだという。
ところで、予選タイムでレーンを決める場合、タイムが速い泳者は真ん中に、遅い泳者は端に追いやられる。これは泳ぐことによって生まれる波の影響が速い泳者ほど少なくなるように、という決め方なのだ。外側のコースはプールの壁に近く、返ってくる波の影響を受けやすくてタイムが出にくいのだ。
ゲン担ぎで、体毛を剃っている選手が多い
年々技術開発が進んできたのが競泳用の水着だ。水中を高速で泳ぐサメをヒントに作ったのが『サメ肌水着』。そして、茹でる前のスパゲティー(芯があると抵抗が減るらしい)をヒントに改良したのが、ギチギチに身体を締め付ける『レーザーレーサー』だ。だが、これらを着用した選手が世界記録を連発すると、国際水泳連盟が禁止に踏み切り、水着開発競争も一段落となった。
それほどに水の抵抗には過敏にならざるをえない選手たち。『水の抵抗を減らすために体毛を剃る』という科学的というか都市伝説というか、よくわからないものがある。たしかに、毛があるよりはツルツルのほうが抵抗は少ないはず。トップスイマーたちも、ゲン担ぎ的に水に触れる部分を剃る選手が多いという。
なお競泳は2016年8月6日よりスタートする予定だ。各選手の活躍を楽しみに待ちたい。
(編集 M)
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