2017.01.01
ゼロ戦と『もっとも美しい大戦機』の座を争う『スピットファイア』知ってる?
■ 美しい日本のゼロ戦に対して、イギリスのスピットファイア
子供の頃、スチロール製の手投げ飛行機のオモチャにラインナップされていたのは、必ず日本の零戦と隼、アメリカのマスタングとグラマン、ドイツのメッサーシュミット、そしてイギリスのスピットファイアだった。
零式艦上戦闘機、零戦(ゼロ戦)は今なお熱狂的なファンがおり、日本人にとって『もっとも美しい大戦機』は『零戦』だが、同じ島国でもイギリスの人たちにとっては『スピットファイア』なのだ。
細く長く優美な零戦の翼も美しいが、高速性を求めて作られたスピットファイアの優美な楕円翼もたしかに美しい。
この楕円翼はスーパーマリン社の主任設計技師レジナルド・ジョセフ・ミッチェルの理論に基づくもので、(映画『紅の豚の』モデルになった)国際水上機スピード競技『シュナイダー・カップ』で優れた成績を挙げて、速度性能に優れるということで採用された。美しい機体が優れた性能を持つというのはなんともロマンチックな考え方だ。
■ スピットファイアはなぜ『大英帝国の守護神』と呼ばれるのか
スピットファイアは第2次世界大戦では零戦の敵である連合軍側、イギリスの飛行機であったが、主戦場はヨーロッパ。押し寄せるドイツ軍からイギリスを守り『大英帝国の守護神』とさえ呼ばれた傑作機だ。
大挙して押し寄せるドイツ軍機を、1対4という圧倒的な戦力差を押し返して撃退したのは、スピットファイアとハリケーンの栄誉といえるだろう。やはり傑作機の名が相応しい大戦機なのだ。
エンジンは零戦が中島飛行機(終戦後、解体され、その後身が富士重工=スバル)製の空冷星形14気筒だったのに対して、ロールスロイス製の液冷V型12気筒エンジンを搭載していた。大馬力を得やすく、空気抵抗も少ない液冷 V12を搭載できたのは、やはり工業力の差といえるだろう。
■ もし、ゼロ戦とスピットファイアが戦ったら?
さて、敵と味方に分かれてはいるが、ヨーロッパ戦線と、太平洋戦線ということで、ほとんど接点のなかった零戦とスピットファイア。実は、戦史をひもとくとわずかながら戦闘の記録は残っている。
1943年オーストラリアのダーウィン攻防戦などがその例だが、それによると零戦の圧勝だったようである。ただ、スピットファイアが巴戦にこだわらず、米軍機のように一撃離脱の戦法をとったらどうだろう? また、より大馬力エンジンを積む後期の機体だったらどうだろう? などなど、これは議論が尽きないテーマだ。
(村上タクタ)
詳しくはこちら!
この記事を読んだ人におすすめの記事
あわせて読みたい