アルティメットみそ汁スタイル
最強のみそ汁
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2017.06.26
女性の心をくすぐるオシャレなパッケージ、デザート感や飲みごたえを感じさせる味わいで知られるKIRIN「世界のKitchenから」シリーズ。その新商品がついに6/20、リリースとなりました。
「自家製」を商品のコンセプトとして実際に世界の家庭の味を取材して商品として送り出している「世界のKitchenから」シリーズ。今年で10周年となる本シリーズの記念すべき商品第一号となったのが、「ピール漬けハチミツレモン」でした。
「ピール漬けハチミツレモン」は、街中がレモンの香りに満たされているというイタリアのアマルフィで実際に家庭の味を取材、そこでの体験やアイデアをもとに開発されました。これをさらに改めて材料から大ブラッシュアップすることで完成したのが、今回発売となった新商品「ほろにがピール漬け蜂蜜レモン」です。
アマルフィの人たちは「レモンは皮こそがおいしい」と知っていて、余すところなく味わうといいます。その知恵に出会って生かしたこの商品は、レモンの皮という素材が何よりも大切な要素。皮を使うからには絶対に100%ノーワックス!とこだわり、大量生産に応えられるだけの量を供給できる生産地を探し回った結果、スペインから調達することに。カビを防ぐワックスをまったく使われていないレモンは2、3日でカビてしまうため、冷凍で輸送したそう。現地の農家が熱意にこたえてくれて、今回の商品化のためにわざわざ特別に生産ルートを作った……と、さらりと語られるその苦労は、想像を絶します。
さらに商品化までには、商品担当の方々によって実際に「キッチン」で試行錯誤が繰り広げられるそう。今回の新商品発表イベントでは、自家製と大量生産との壁を乗り越えるために何度も繰り返される、その奮闘の軌跡を少しだけ体験できる、ワークショップも行われました。
用意されたのは大きなレモン。商品化に使われたものはスペイン産ですが、今回は輸送の都合で香川県産のものが用意されました。さらに、目の前には様々な形に剥かれたレモンの皮が6種類、蜂蜜に漬かった小皿が。少しずつスプーンですくっていただきます。すりおろしたり、桂剥きになっていたり、角切りだったり……加工の仕方がここまで異なるだけで、こんなに蜂蜜の味が変わるなんて! 蜂蜜の粘度、苦み、甘さ……食べるならコレ、ドリンクにするならコレ、なんて、参加者それぞれに大盛り上がり。
今回の新商品、実はパッケージも値段もかなり挑戦的。商品名である「ほろにがピール漬け蜂蜜レモン」はパッケージの下部に書かれており、一番目立つのは「NO WAX LEMON PEEL HONEY」という英語表記。ノーワックスにこだわり抜いたという材料へのこだわりを全面に押し出したビジュアルです。わかりやすさ命という飲料業界において、これはかなりチャレンジングで、社内でもさまざまな議論があったそうな……。
とにかく持っていて気持ちのよいものにしたかった、というのが開発チームの思い。さらに光に弱いレモンの特性を鑑みて、光を完全にシャットアウトするボトル缶をセレクトしています。細部にまでとことんこだわった結果、値段は160円という単価に。140円が通常ラインであるところから、20円の値段の高さはこれまた大挑戦。
実際に海外の家庭へ取材に出向き、そこで出会った味やアイデアを商品としてリリースしてきた「世界のKitchenから」シリーズ。商品担当の図子さんは、同ブランドはひとりの女性社員の思いから始まった、といいます。
「本当に飲みたいものってわからない」
飲料業界では毎年1000くらいの新商品が出る。その中で自分自身が心から飲みたいものって、どれだけあるだろう……そう疑問に思った女性社員のこんな発言からスタートしました。
たどり着いたキーワードが「自家製」。大量生産とは真逆にあるワードでした。どんな人が作っているか。どんな素材が使われているのか……そういう体温を感じられるものであるのではないか。
とにかく自分たちが一番わくわくする気持ちを大事にしたい。「これおいしい!」という個人的な気持ちや感覚、作っている人が一番楽しいと思うこと。そのスピリットは、10年前から少しも変わってない、と話します。もちろん日本を代表する飲料メーカーのひとつであるから、「売れる商品」のデータはたくさん持っている。でも、そこから商品は作らない。「データじゃないから(自家製を)超えられる」とも図子さんは話しました。
取材先から持って帰ってきたアイデアや味は、そのまま商品化されるわけではありません。大変なのは、実は帰国してから。帰国してから、商品開発チームの方々は自分たちのキッチンで材料の吟味や試作を重ねるといいます。自家製と大量生産、その相反する二つの要素を両立させるためには、恐ろしいほどの壁を乗り越えなければなりません。
材料を決めるのも一苦労。ようやっと材料が決まっても立ちはだかるのは数の問題。大量生産をするからには、それだけの量を調達できるのか。材料の産地の選抜から輸送、工場での加工方法……あらゆる条件をひとつずつクリアしていく必要があります。そのたびに、「矛盾」と戦わないといけません。
イベントで「飲料のプロとして『自家製』を超えたい」そう強く言い切っていた図子さん。終始楽しくて楽しくてしょうがない、という笑顔で説明をしてくれていた姿が印象的でした。そこには手掛けた商品が心の底からいいものだと押せる自信の強さと、そのためには少しの妥協も許さない信念。「会社で『やりすぎ』だって、怒られちゃって……(笑)」と笑う彼女たち商品開発チームの力強さは、これからも変わらず商品の受け取り手である私たちに、新鮮な驚きと感動を与え続けてくれるはずです。
商品のプロモーションにあたっても、印象的な言葉がありました。「100万人との15秒より、10人と2時間のコミュニケーションを大事にしたい」。CMの15秒ではとてもストーリーが伝えきれないというのが、その理由。今回の新商品にリリースに際しても、「商品づくり 裏話ミーティング」と題して消費者との交流イベントが行われました(Facebookでの呼びかけで参加者を募集したところ、即日満員になったそう!)。SNS時代だからこそ、企業と消費者との距離はイベントなどの体験も通して簡単に縮まり、感動はおのずと広まっていきます。人の顔が見えることにこだわる「世界のKitchenから」ブランドは、もしかすると今の時代に最高にマッチしたブランドかもしれない、そんなことも思わせる新商品発表イベントでした。
写真に写っているのは「世界のKitchenから」商品担当の女性3名。左から弦田悠里さん、図子久美子さん、寺島愛子さん。
■「世界のKitchenから」公式サイト
http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/kitchen/
(ヨシザワ)
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