遊び上手な大人の街。
神楽坂本 最新版
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2018.03.16
江戸の“粋”が今も息づき、艶やかな雰囲気が漂う神楽坂。能やお座敷遊びなど、一度は体験したいと思いながらも初心者にはいささか敷居の高い日本の伝統や文化を体験するにはもってこい。しばし日常からトリップして、贅沢な大人の時間を楽しんでみては?
しっとりとした趣のある裏路地を散策するのは神楽坂の楽しみのひとつ。特に、神楽坂大通りのすぐ裏手、本多横丁脇を入ったところにある「かくれんぼ横丁」という小道は魅力的。黒板塀、石畳、植栽を施した門構えなどが、料亭街だった時代を偲ばせてくれる。
神楽坂通りから小道に入った石畳の路地に佇むバー『八仙』。もとは料亭だった建物の風情を活かしたシックな店内に貸席とバーがしつらえられている。
現役の芸者であるオーナー・万りさんと和装のコンパニオン達による接客は、何とも言えずたおやか。それでいて、お酒とともにカラオケを楽しめるアットホームな雰囲気も魅力(チャージ料3500円、ボトルキープ7000円~、カラオケは1曲200円)。小腹が空いたら洋食の名店『たいめいけん』仕込みのシェフによる本格的な洋食もいただけて、まさに至れり尽くせり!
【DATA】
●BAR 八仙
住所:東京都新宿区神楽坂4-8
電話:03-3260-9788
営業時間:19:00~翌1:00
定休日:日曜、祝日
能楽団体・観世九皐会が本拠とする舞台『矢来能楽堂』。同団体は明治時代、観世銕之丞家から分家した観世清之が起こしたもの。現在は三世の観世喜之が当主を務め、毎月第2日曜に定例公演を行っている。能楽堂は空襲のため消失したが、昭和27年に再建、平成23年には国の登録有形文化財に登録された。
写真は神楽坂伝統芸能祭りでの公演(曲:「石橋」/被写体:観世喜正/撮影:青木信二)。真正面に舞台が見えるお座敷の席は臨場感抜群! 体験イベント「はじめての矢来能楽堂」では白足袋を履いて実際に演技を習うこともできるので、興味のある方はぜひ。
【DATA】
●矢来能楽堂
住所:東京都新宿区矢来町60
電話:03-3268-7311
http://yarai-nohgakudo.com
艶やかな芸者衆が披露する芸と会話を楽しみつつ、料理とお酒をいただく「お座敷遊び」。宴席を盛り上げ、和ませるそのもてなしは、日本ならではの繊細な心遣いに満ちている。
唄に合わせて交互に手を出し合う「金毘羅船々」、じゃんけんゲーム「とらとら」などの風流な遊びに興じれば、時の経つのも忘れてしまう。立場あるお客も心を緩めて楽しめるのは、プライバシーを重んじる成熟した大人の遊び場なればこそ。
「山の手随一」と言われた神楽坂の花街には、今も芸者衆が所属する置屋と料亭でつくる組合があり、その伝統が受け継がれている。芸者衆の手配も含め予約は料亭にするのがしきたりなので、紹介者を立てるのがベターだ。
お寺で落語の寄席が開かれるなど、ここでご紹介した以外にもお楽しみが目白押しの神楽坂。知らなかった魅力に触れて、さらにハマってしまいそう。
(出典:『神楽坂本 最新版』)
(エイサイト編集部 ヨシダ)
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