色で選ぶ万年筆インク!
INK 万年筆インクを楽しむ本
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2018.04.03
万年筆画家として活躍中のサトウヒロシさん。主催するラクガキ画ワークショップは大人気で、遠方からも参加者が駆けつけるほど。「気楽にサラサラとラクガキが楽しめたらいいのに……」と感じている人がいかに多いかという表れですね。
サトウヒロシさんは、「ラクガキは第一に自分が楽しむためにある」と言います。
「楽しければ、結果的に沢山描いてしまいます。沢山描けば勝手に上達します。上達すると新しい技法に挑戦したくなり、さらに表現力がついてくる、この繰り返しです」
ただそこにはコツがあるのだとか。誰でも描けるただの線や丸や四角がちょっとした技法を加えるだけで表現に昇華され、できた作品が誰かに喜ばれるようになるのだそうです。
そんなコツを、ここでは5つ紹介しましょう。
よぼよぼして途切れがちな線はハッキリした線に比べて、形のゆがみが曖昧になり、なんとなく『味のある線』という印象になります。また、作画の後半で線画がはみ出したりしていても、もとからゆがんでいたり、途切れていたりするので、目立ちにくくなります。
(左)よぼよぼした線
(右)ハッキリした線
陰影を付けるか付けないかというのは、描きたい絵によって変わってくると思いますが、陰影の付いた立体感のある絵は、人に見せたときや、時間をおいて自分で改めて見返したときに「おっ、上手いじゃん」と思えるわかりやすい表現です。ちょっとしたスケッチであれば、積極的に陰影を付けていきましょう。
(左)陰影のある絵
(右)陰影のない絵
万年筆は本来、文字を書く道具です。特別なことをしなくても文字と組み合わせれば必然的に味わいのある絵になります。ちょっとしたメモ書きもラクガキを添えれば、おしゃれになります。
(左)絵だけの構成
(右)絵と文字を組み合わせた構成
見たものをそのまま描くことは技術力が必要です。一方で丸や三角、四角など簡単な形であれば簡単に描けます。シンプルな形の組み合わせだけでも、手早くいろいろ描けます。
(左)複雑な形の構成
(右)シンプルな形のみの構成
大きな絵はそれだけで描く難易度が上がります。形が崩れやすく、なにより1枚を仕上げるのに時間がかかります。「時間をかけて描いたものが、上手に描けなかった」という記憶は、次に絵を描く気力を著しく損ないます。その点、小さく描くと、ちょっとした形のゆがみも気になりませんし、一枚あたり数分で描けるので「失敗してももう一枚描けば良い」という気持ちになれます。楽しくたくさん描くためのコツですね。
(左)大きく描いた絵
(右)小さく描いた絵
いかがでしょうか? ぜひ参考にしてみてください。
●サトウヒロシ
万年筆画家・絵本作家
1978年 福島に生まれ京都で育つ。神戸大学発達科学部人間行動・表現学科卒業。「明日死ぬかもしれないから今お伝えします」「万年筆画絵巻 レノン40」シリーズなど大人向け絵本作品を多数発表。万年筆を使った新しい技法による絵の楽しみ方を追求し、万年筆ラクガキのワークショップは大きな反響を呼んでいる。
URL:「サトウヒロシの万年筆ラクガキ帳」
https://ink-drawing.amebaownd.com
(出典:『万年筆ラクガキ講座』、サトウヒロシ著)
(編集 M)
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