本づくりの原点がここに。
しずけさとユーモアを 下町のちいさな出版社 センジュ出版
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2018.04.17
うららかな気候、新生活のスタートなど、春は何かと心が高揚する季節。しかしその一方で、慣れない環境や、新しい人間関係、仕事も覚えることがたくさんあり、心身ともに疲れやすい季節でもある。少しずつ蓄積された疲労をそのままにしておくと、いわゆる5月病と言われるような心身の不調を感じることにも繋がってしまう。
特に現代社会のビジネスパーソンは、身体より、心が疲れやすいと言われており、その要因としては以下の3つが挙げられる。
<1>情報過多
かつては上司との連絡手段は電話くらいだったが、今では深夜や休日にもLINEなどを通じて簡単に連絡が取れる。便利になった反面、入ってくる情報は他人都合がほとんど。この環境が新型うつや不安障害の一要因ともいわれている。
<2>仕事の多様化
多様化する顧客のニーズに応えるため、画一的ではないサービスが求められる。流行の移り変わりも激しく、新しいアイデアを出す必要があり、同時に多くの案件も処理しなくはならない。
<3>ストレス耐性の低下
若い人たちのストレス耐性の低下は少子化の影響も受けている。親から大きな期待を背負わされ、周囲の期待に押しつぶされたりして、自分のやりたいことがわからなくなり、不安定な状態になってしまうことも。上の世代とのギャップや、悩みを自分で抱え込んでしまう傾向もある。
例えばメールやLINEなどで送られてくるメッセージは、相手の都合の良い時に送ってくる。この流れに乗っかってしまうと、自分の生活リズムが乱されてしまい、メッセージを受け取ること自体にストレスを感じてしまうことも……。
それでは、こういったストレスや、仕事の疲れを溜め込まないようにするにはどうしたらいいのだろうか? 具体的な対処法をご紹介しよう。
<1>スマホの通知をOFFにする
現代のビジネスパーソンの大きなストレスの原因はスマホ。まず、通知をOFFにしてみよう。もしくは、通知の確認を1時間に1回にする。相手都合ではなく、自分都合で動いてみることが大切だ。
<2>すぐに返信しないようにする
返信すると、すぐに返信があり、その繰り返し……。1時間後に返信しても怒られない。すぐに返信しないといけないなどの強迫観念は持たないようにしよう。
<3>相手の都合に合わせない
電話に出たり、LINEの返事をすぐに返す行為は、相手の都合に合わせて行動をしていることになる。まずは自分のことを大切に。相手に振り回されるのではなく、自分の意思とペースで動くように心がけよう。
<4>睡眠の質を高める
疲れを解消するには良質な睡眠が大切。なかなか寝付けないという人は、ぬるめのお風呂に入り、お風呂上りにゆるやかに体温が下がると、副交感神経がリラックスしてぐっすりと眠れるのでお試しを。
<5>睡眠時間を確保する
日本人の平均睡眠時間は7.5時間。とはいえビジネスパーソンにとっては十分な睡眠時間を確保するのはなかなか難しい。そこで、休日を有効に使おう。ただし、寝すぎは良くない。普段通りの時間に就寝して、いつもよりプラス2時間後に起床するのが目安。
心が疲弊すると、コミュニケーション能力の低下や、自律神経失調症など、さまざまな不調があらわれてくる。気がついたら、どっぷり疲れが溜まってしまって休日は寝てばっかり……なんてことにならないように、自分のペースを徐々に作る努力をしていきたい。てっとり早いのは、よく言われているが朝に太陽の光を10分程度浴びること。蛍光灯のような弱い光ではなく、強い光を浴びる“光目覚まし”で、今日も一日がんばろう。
監修:川野泰周
精神科医、住職。2004年、慶応義塾大学医学部医学科卒業。臨床研修修了後、慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2011 年より、大本山建長寺専門道場にて修行。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在は寺務の傍ら精神科診療にあたっている。薬物療法や既存のカウンセリングなどに加え、マインドフルネスや禅の瞑想を積極的に取り入れた治療を行う。著書に『あるあるで学ぶ余裕がないときの心の整え方』(インプレス)、『ぷち瞑想習慣』(清流出版)など。
(出典:『医者が教える!疲れを取る技術』)
(K)
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