下を向いてもいいことなし!
上を向けば、肩こりは治せる!
© 1999-2021 Ei-Publishing Co.,Ltd.
2018.05.30
誰もが死ぬまで健康でいたいと思うもの。しかし、残念ながら、2013年のデータによると、日本人は平均して最期の10年間、何らかの支援や介護が必要としているそうです。
そして、要支援・要介護になる要因の約20%を関節疾患、骨折・転倒などによる運動器の障害が占めています。
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を『ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ)』といいますが、原因には、運動器自体の疾患によるものと、加齢に伴って起こる運動器の機能低下によるものがあります。その予防に最も効果的とされているのが、筋肉の強化とケアなのです。
ロコモの予防に筋肉の強化とケアが効果的という根拠は、上の表を見れば一目瞭然。多少の男女差はあるものの、筋肉量は加齢に伴い徐々に減少していきます。とくに著しい減少が、歩くために必要な下肢の筋肉量。18〜24歳と80歳以上を比較すると、約2/3に減少していることがわかります。
さらに下肢ほどではありませんが、カラダを支えるために必要な体幹の筋肉量も減少します。つまり、ロコモを予防するには、まずは下肢と体幹の筋肉量を増やせばいいわけです。
うれしいことに、正しく鍛えれば筋肉量は何歳になっても増えると言われています。実際に80歳以上のマスターズアスリートの筋力は非常に強く、中には還暦を迎えてから本格的にスポーツをはじめて、80歳を過ぎても世界で戦っているアスリートもいます。運動を始める上で、年齢は関係ありません。筋肉は鍛えれば応えてくれます。
しっかりと歩くために必要となる筋肉の中でも、まず要となるのが『立つ、歩く』といった日常生活のすべての動作に関わる太ももの筋肉です。
とくにヒザの安定に関わる太ももの前側の大腿四頭筋が重要になります。そして、足首の曲げ伸ばしに関わるスネの筋肉(前脛骨筋)、脚を動かすための土台となるお尻の筋肉(大殿筋)と股関節周りの筋肉(大腰筋)も鍛えておきたい部位です。さらに、ふくらはぎ(下腿三頭筋)や太もも裏の筋肉(ハムストリング)と、体幹の筋肉をはじめ、背中の筋肉に刺激を与えることで、背すじが伸びて歩幅が広がります。
衰えが気になり始めたら、筋肉の強化とケアを取り入れて、将来的な要介護・要支援のリスクを軽減させましょう!
足首を曲げても写真のように筋肉が盛り上がらなければ、スネの筋肉(前脛骨筋)が衰えています。今すぐトレーニングを!
●監修:向井直樹先生
筑波大学准教授(外科系スポーツ医学)。筑波大学医学専門学群卒。日本陸上競技連盟医事委員会副委員長。日本体育協会公認スポーツドクター。整形外科医として診療も行う。
(出典:『死ぬまで歩くためのストレッチ法』)
(編集 M)
詳しくはこちら!
¥968(税込)
(2018.03.15発売)
この記事を読んだ人におすすめの記事
あわせて読みたい
この記事を読んだ人におすすめの本