相続法改正を完全網羅!
大切な身内が亡くなったあとの手続きの本 2019年改訂版
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2018.06.06
身内が亡くなったあと、親族にはさまざまな手続きが待っています。その中には、申請をしなかったばかりにもらえるはずのお金がもらえなかったり、手続きが遅くなってしまい余計な費用がかさんだりすることもあります。一生のうちに何度もあることではないから、知らないのは当たり前。だけど、知らないと損をしてしまう、身内が亡くなったときに見落としがちな手続きをご紹介します。
相続の手続きをする際に必要になってくる戸籍謄本。例えば複数の銀行に口座があった場合、1通で使い回しできるのですが、それには時間がかかってしまう場合があり、仕方なく複数の戸籍謄本を用意することも。有料なので、案外費用がかさみます。
そこで、利用したいのが「法定相続情報証明制度」です。平成29年5月29日から始まった制度で、故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を登記所に提出すれば、その後、戸籍謄本の代わりとして使える相続関係をまとめた書類がもらえます。しかもこれは無料。利用しない手はありません。
葬祭を行なうと、故人が加入していた健康保険から、葬祭費(埋葬料)が喪主に対して支給されます。保険の種類や市区町村によって金額は異なってきますが、だいたい3~7万円程度で、申請しないともらえないところが多いので忘れずに。葬儀から2年以内なら申請できます。
自動車は、売却するにしても、廃車するにしても故人の名義のままでは手続きできません。ここで注意したいのが駐車場代。期限がある相続手続きに追われているとつい後回しになってしまいますが、手放すことを決めているなら早めの手続きを。数か月後に手続きをしたら、月々の駐車場代がさかみ数十万円も請求される、なんていう事態にもなりかねませんので気を付けましょう。
身内が亡くなったあとに葬儀社を選ぶ場合、どうしても冷静な判断ができないのは仕方がないこと。しかし、葬儀社によって費用は異なってくるので、言われるがままに選んでしまったら、想定より数万~数十万円も多くかかってしまった、なんてことも。また、ひどいケースだと故人の宗派とは無関係の僧侶を呼んでしまうなんてこともあります。できれば身内が存命のうちに、こちらから提示した予算に合わせたプランを紹介してくれる良心的な葬儀社を選びたいものです。
大きな遺産はなかったはず、とすぐに相続手続きをしてしまおうと思っているなら、ちょっと待って。手続き後に、故人の借金や連帯保証人の契約など、マイナスの遺産が見つかることも。プラスの遺産とマイナスの遺産のバランスによっては相続を放棄する方がいい場合があります。相続放棄の手続きの期限は3か月あるので、まずは慎重に遺産調査をしましょう。
身内が亡くなった直後は、気落ちもするし、世話になったし、最後だからできるだけのことをしてあげよう、という気持ちにもなります。しかし、残された人にとってはお金はやっぱり大切。「知らなかったばかりに損しちゃったな……」なんて変なシコリを残さず、静かに故人を偲びたいですね。
(出典『大切な身内が亡くなったあとの手続きの本』
(K)
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¥858(税込)
(2017.12.29発売)
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