この旨さ、悪魔的!!
悪魔のおつまみレシピ
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2018.07.18
さまざまな食材の味を魔法のように変化させてくれる燻製が、いま静かなブームを呼んでいる。ところが、いざ始めてみたものの「イマイチ上手くできない」なんて声も……。その原因は何なのか? 燻製にまつわるよくある疑問を解消して、風味豊かなおいしい燻製作りを目指そう。
燻製に向いているのは、乾燥させることでうまみが凝縮される食材。適度に脂がある肉や魚などは、まさに打ってつけの食材と言える。このほか、乾物、ベーコン、ナッツ類など、最初から塩漬けや風乾されている食材も◎。これらは下ごしらえせず燻製器に入れられるので、初心者にも扱いやすい。
逆に向いていないのは、野菜や果物のようにみずみずしさを味わう、水分の多い食材。煙が浸透しにくく、味も酸っぱくなりやすい。こうした食材を燻製する場合は、事前にしっかりと乾燥させることがポイントだ。
一緒に燻製できるかどうかは、食材の組み合わせしだい。基本的に燻製方法が同じであれば可能だが、組み合わせる食材によっては匂いが混ざり合い、せっかくの燻香が台無しになるばかりか、味まで変わってしまうことも。ちくわとかまぼこなど同じ燻製方法の食材や、卵とナッツ類など匂いが強くない食材同士なら大丈夫だが、初心者は、肉と魚を一緒にスモークするのは避けよう。
燻製が酸っぱくなる原因のひとつは、食材の水分量の多さや乾燥不足。特に食材の表面に水分があると、煙に含まれる酢酸を吸着して酸味が強くなってしまうので要注意だ。
もうひとつの原因は燻煙量の多さ。燻製は燻煙の成分が適度に食材に浸透することでおいしく仕上がるため、燻す時間は長ければよいというものではない。チップの量と燻製時間はもちろん、食材とチップの距離も意識して最適なバランスを見出そう。
できあがった燻製を肴に一杯やるのは至福のひとときだが、あれこれ試行錯誤しながら自分好みの味を追求する楽しさもまた格別なもの。燻製道具を充実させるのもひとつの手だけれど、まずは食材の選び方や扱い方、燻煙量の加減といった基本を見直してみてはいかがだろうか。
(出典:『燻製の基本 改訂版』、監修:燻製道士)
(エイサイト編集部 ヨシダ)
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