体脂肪は敵じゃない!
最強の体脂肪燃焼RUN
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2018.07.27
「夜中に食べるな!」というのはダイエットの基本。しかし、なぜ夜遅くに食べると太ってしまうのか? その疑問解明のカギを握るのは、私たちの体に備わる体内時計にあった。太りにくい体になるためには、いつ、どんな食べ方をすればベストなのか。体の刻むリズムに耳を傾け、食生活を見直してみよう。
「夜中に食べると太る」というメカニズムに大きく影響しているのは、BMAL-1(ビーマルワン)という、細胞内に存在するたんぱく質。特に脂肪組織に多く含まれ、体内時計を整える役目を担っている。脂肪を作ったり、酵素を増やすために指令を出したりする働きもあり、BMAL-1の量が増えるほど細胞内に脂肪が溜まって太りやすくなる。
このBMAL-1の分泌量が1日の中で最も少ないのは午後2時頃。ここから徐々に量が増えていき、深夜2時頃にピークに達する。なんと、その量は最少時の約20倍! 夜遅い時間の飲食がいかにキケンか、データを見れば一目瞭然だ。
朝は体内時計がリセットされ、体が蓄積モードから消費モードへと切り替わる時間帯。朝食にはそのスイッチをオンにする働きがあるので、抜くなどもってのほか! 夕食から翌日の昼食まで何も食べずにいると空腹時間が長くなりすぎ、体は飢餓状態に。危機感を覚えた脳は、次に体内に入ってきた栄養素を消費せずに蓄えようとする省エネモードに入ってしまう。また、次の食事の後に血糖値が急上昇したり、ドカ食いや便秘を招きやすくなったりするリスクも。これを繰り返すうちに太りやすい体ができあがってしまうので、朝食はきちんと食べよう。
昼の時間帯は代謝が最も活発。多少カロリーが高めの食事を摂っても夕食までに消費される割合が高いので、朝や夜に比べて好きなものを食べてもOKだ。
とはいえ、栄養バランスは大事。エネルギー源となる炭水化物(糖質)が豊富なごはん、パン、麺類だけでなく、体の組織の材料となるたんぱく質も肉、魚、大豆製品などから積極的に摂りたい。代謝を促すビタミンやミネラルが不足しないように、野菜、フルーツ、海藻、豆類などもたっぷりと。特に、肉を食べたらその倍量の野菜を食べることを心がけよう。
外食なら主食、主菜、副菜のそろった定食ものがベスト。どんぶりものなどの単品メニューを選ぶなら野菜を多めに食べる工夫を。デザートにはスイーツではなくフルーツをチョイスして。
夜は代謝が蓄積モードに入る時間帯なので、夕食は昼食の5~6時間後、20時までに終わらせるのが理想。それが難しい場合にも、寝る3時間以上前には食べ終わるように心がけよう。
ただし、翌日の朝食までに体が飢餓状態に陥ってしまっては元も子もない。カロリーの高い脂質と血糖値を上げる糖質の摂取は減らすべきだが、過度に量を制限したり、栄養に偏りがあったりする食事はNG。夕食は1日の栄養バランスの不足を補うためのものと考えよう。特にホルモンの材料となる良質なたんぱく質が必要なので、大豆製品は意識して摂りたい。
なお、肉やごはんの前に野菜を食べる習慣をつければ、なおグッド。こうして体内時計にあわせた食生活を送るうちに、体が太りにくくなっていくのが実感できるはずだ。
●監修:篠原絵里佳
國學院大學法学部、佐伯栄養専門学校栄養士科を卒業。総合病院・腎臓内科クリニック勤務の後、独立、「Health&Beautrition」を主宰する。長年の臨床経験とアンチエイジング医学の活動を通して、体の中から健康を作る食生活と睡眠について、わかりやすく発信することを得意とする。管理栄養士、日本アンチエジング・ダイエット協会ダイエットスタイル認定トレーナー、日本抗加齢医学会認定指導士、日本睡眠改善協議会認定睡眠改善インストラクター、日本野菜ソムリエ協会認定野菜ソムリエプロなど、多数の資格を有する。
(出典:『脱メタボ! 太らない食べ方』)
(エイサイト編集部:ヨシダ)
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