暮らし上手の家計簿 2020
2018.08.30
セカンドライフに向けて今からできること 意識したい2つのこととは?
人生100年時代。定年を迎えた後の生活が、大きくクローズアップされている。
かつて『定年後』は『余生』というくくりで考えられていたが、それには、あまりにも長い。人によっては40年近くもあり、現役時代と同じくらいの時間になるのだから。充実したセカンドライフのために、今、何ができるのだろう? シニアのセカンドライフに詳しい一橋香織先生にお話をうかがった。
『資格』と『人脈』がカギ!
セカンドライフにおいて大切なことは、ずばり『資格』と『人脈』です。シニアになってからいきなり資格を取得するのは難しいですから、現役時代のうちから専門分野のスキルを身につけていくことが大切です。また、これからの時代はAI(人工知能)が社会に進出すると予想され、人間の仕事を奪うのではないかといわれています。そこで、AIが扱い得ない資格や仕事をちゃんとリサーチしておくことも大切でしょう。
資格の取得から説明しましょう。一般的に老後を見据えるのが50歳になってからが多いのですが、こうした取り組みは、早い段階から行うべきです。資格を取るためには専門学校に行く必要があるケースも少なくありませんし、実務経験を積むなど様々なプロセスを経る必要もあります。一朝一夕でなんとかなることではありませんので、早ければ早いほどいいのは言うまでもありません。
続いて、人脈について解説します。そもそも、人脈作りを一切してこなかった人が、急に異業種交流会に行っても、人とのつながりを作ることは難しいのです。どれほどITが進んだ昨今とはいえ、ビジネスは人によって助けられることが多いと言えるでしょう。人と人のつき合いは、あなたのことを相手が真摯に考え、「この人には何をしてあげられるのだろう」という思いから始まるのです。
人脈は信頼のバロメーターといわれ、お金で買えるものではありません。いざというときに助けを求めることができる人や、資金面で支援をしてくれそうな人など、様々な分野にネットワークを持っておくと、後々役立つことが多いはずです。
ちなみに、私の場合、自分で営業活動をしたことがありません。それは、この人になら大切な知人や友人を紹介したいと思っていただけるように、日頃から私自身が利他の心で人の役に立つよう地道に心がけてきたからだと思います。お客さんがお客さんを紹介してくれたり、仲間やマスコミの力を借りることも多くあります。このように、私は人のつながりで助けられています。しかし、漫然と会社員をやっているだけでは、セカンドライフのために起業しても、急に仕事が舞い込むことにはならないでしょう。
繰り返しますが、現役世代のうちから着々と準備をしておくことが、充実したセカンドライフへのカギなのです。
セカンドライフでは、学歴や職歴は役に立たない!
私のもとに相談に訪れた人の例を紹介しましょう。超一流大学を出て、超一流企業に勤めていた方が、退職後にハローワークに行ったそうです。すると、工事現場の旗振り、ビルの管理人、駐輪場の整理などを紹介され、唖然としたそうです。話を聞けば聞くほど、学歴では食えないし、一流企業にいた経歴だけでは何の役にも立たないことがわかりました。
対面の仕事はAIに食われないといわれていますし、人の気持ちを汲んでアドバイスをする仕事も安泰といわれます。人間よりも優れた知能を持つAIが出現するこれからの時代は、学歴などの肩書ではなく、あなたはいったい何ができるのかが重要なのです。
〇一橋香織先生
外資系金融機関を経てFPに転身。頼れるマネードクターとしてこれまで1500件もの相続・お金の悩みを解決した実績を持つ。講演や『ビートたけしのTVタックル』『Nスタ』『ビビット』などTVにも多数出演。システムダイアリー社の『エンディングノート』監修。著書には『終活・相続の便利帳』、『マンガでわかる最強の貯蓄術』(枻出版社)、『家族に迷惑をかけたくなければ相続の準備は今すぐしなさい』(PHP研究所)がある。
http://egao-souzoku.com
(編集 M)
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¥968(税込)
(2018.07.26発売)
ISBNコード|978-4-7779-5230-4
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