「止まる」を考える。
BikeJIN/培倶人 2019年7月号 Vol.197
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2018.09.25
世界遺産に登録され、世界中から参詣者が訪れる高野山。日本最大の宗教都市であり、117もの寺院が建ち並ぶ。現在、そのなかで宿坊として泊まれるのは52ケ寺。建立した人物や庇護してきた大名家などにより、趣もかなり異なる。例えば真田幸村ファンなら、門に下がっている提灯に刻まれた六文銭を見ただけ心がわき立つ。そんなところもまた楽しく、宿坊の魅力をさらに高めている。そこで、歴史好き、密教修行体験がしたい、など、テーマ別にオススメの宿坊をご紹介しよう。
金剛三昧院は、1211(建暦元)年に源頼朝の妻・北条政子が、頼朝と息子・実朝の菩提を弔うために創建された。国宝の多宝塔をはじめ、重要文化財の経蔵、四所明神社、本坊など数多くの文化財が伝わり、歴史好きにはたまらない宿坊だ。
特に1223(貞応2)年に建立された多宝塔は、頼朝と実朝の菩提を弔うために造営されたもので、一度も火災にあうことなく現存し、高野山で最も古い建築物でもある。本尊は頼朝の姿を等身大で表したといわれる愛染明王で、鎌倉時代初期に運慶の一派が手掛けたともいわれている。
【DATA】
●金剛三昧院(こんごうさんまいいん)
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山425
収容人員:個人約150名、団体約200名
お部屋:壁仕切り個室45室、ふすま仕切り個室18室、大広間1室、中広間4室
電話:0736-56-3838
ウェブサイト:http://www.kongosanmaiin.or.jp/
奥之院参道の入り口にほど近い恵光院は、朝勤行だけでなく、阿字観や写経、など様々な密教の修行を体験できる宿坊だ。朝勤行のあとに行われる護摩祈祷は、僧侶が燃え上がる炎の中へ護摩木をくべながら、密教ならではの真言を唱え、手で印を組む修行のひとつで、誰でも参加できる。
戦国武将・明智家の菩提寺としても知られ、毘沙門堂(護摩堂)には、空海が自ら彫ったと伝えられる毘沙門天が祀られている。
【DATA】
●恵光院(えこういん)
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山497
収容人員:個人約70名、団体約120名
お部屋:壁仕切り個室17室、ふすま仕切り個室16室、バス・トイレ付個室4室、トイレ付個室1室、シャワー室1室大広間1室、中広間2室
電話:0736-56-2514
ウェブサイト: http://ekoin.jp/
西南院は、空海の遺志を受けて高野山の伽藍を完成させた、高野山第二世・真然大徳が建てたお寺。貴族である九条家の支援や、徳川家康から経蔵(現在の建物は再建されたもの)を寄進されたと伝わる。
そんな西南院の見どころは重森三玲作の石庭「大石庭」。四季折々の花々が彩り、夜間はライトアップされ幻想的な世界に包まれる。旬の食材を使った精進料理や、活性石によって造り出される温泉など、高級旅館のようなおもてなしが待っている。
【DATA】
●西南院(さいなんいん)
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山249
収容人員:個人約100名、団体約130名
お部屋:壁仕切り個室12室、ふすま仕切り個室27室、大広間1室、中広間1室
電話:0736-56-2421
ウェブサイト:http://sainanin.com/
このように、歴史ある高野山のお寺らしく、様々なエピソードがある。他にも精進料理がとびきり美味しい、紅葉が見事、住職が語学堪能、など個性あふれる高野山の宿坊。自分に合う宿坊探しも、旅の楽しみのひとつになりそうだ。
(出典:『高野山の宿坊 公式ガイドBOOK』)
(K)
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