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大切な身内が亡くなったあとの手続きの本 最新版
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2018.12.21
『腸内フローラ』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
突然ですが、私たちの腸には、なんと100兆ものバクテリア(細菌)が棲んでいます。その種類は数百以上、重さは1〜1.5kg! それら腸内のバクテリアたちのまとまりは、いろいろな草花が咲き乱れている自然のお花畑にたとえて『腸内フローラ(花畑)』と呼ばれています。
これらのバクテリアは、宿主であるヒトが食べたものを分解して、栄養として吸収しやすくしてくれたり、最近の研究では、なんと、カラダの中の炎症を抑える物質も作ってくれているらしいということもわかってきています。
つまり、私たちのカラダの不調やさまざまな病気と、腸内フローラの状態には大きな関係があるのです。
さて、この腸内フローラ関連でいま話題になっているのが『便移植』です。初めて耳にするとギョッとしますが、医療現場ですでに導入され、効果を上げ始めているのです!
病気の人の腸内フローラを調べてみると、フローラのバランスが崩れていたり、一部のバクテリアが腸内に見つからなかったりします。ならば病気の人の腸内に、健康な人の腸内のもの(便)を入れてはどうか、というのが、『便移植』の考え方です。
じつは葛洪(ゲ・ホン)という4世紀の中国の医師が書いた本に、すでに便移植がさまざまな病気の治療に役立つことが記されています。また、中東の遊牧民ベドウィンの間にも、人間の病気の治療として、らくだの糞を食べる方法も伝わっています。
現代の『便移植』では、新しいバクテリアが定着しやすいように、移植を受ける人は抗生物質である程度それまでのフローラを消し、空っぽに近い状態で新しい腸内フローラを入れていきます。
この試みにより、ある難治性の腸疾患のおよそ8割が治るという成果が出てきています。また、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎などでもいい報告が出てきています。
腸内フローラとの関係が指摘されている糖尿病、メタボ、慢性疲労症候群、自閉症などの病気や症状の改善にも、便移植が役に立つと見込まれています。アメリカではすでに便のサンプルを集めるNPOも立ち上がっているとか。
将来的には、健康な人の便からとりだした主な善玉菌を培養してセットにしたカプセルなども開発されるでしょう。進展が期待される分野となっています。もしかして、将来的には、うんちに対するネガティブなイメージがなくなる時代がやってくるのかもしれませんね!?
(出典:『腸内環境がカラダを変える!』)
(編集 M)
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