この春、欲しいアイテム
YOLO.style vol.07
© 1999-2021 Ei-Publishing Co.,Ltd.
2018.12.20
12月は忘年会続きで体重が増えやすい時期。「せっかくダイエットしたのに、一気にリバウンド(涙)」なんて危険がいっぱいです。「あーあ、痩せ薬があればいいのに」と今、思った方! 実は、世の中には『痩せ薬』ならぬ、『痩せ菌』というものがあるのだとか。詳しく見ていきましょう!
『腸内フローラ』という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 腸内フローラとは、いわば腸内のバクテリア(細菌)の状態のこと。私たちの腸内には100兆ものバクテリアが生息しているのですが、これが腸はもちろんのこと、カラダ全体の健康に大きな影響を及ぼしていることがわかってきました。具体的には、糖尿病や心疾患、アレルギー、認知症、自閉症、過敏性大腸症候群、そして肥満も腸内フローラが鍵を握ると考えられています。
腸内フローラと肥満との関係では、腸内環境が乱れた状態だと肥満につながることがネズミの実験で分かってきています。あるひとつのデブ菌だけが肥満を引き起こすわけではないようです。
さらに言うと、肥満は遺伝子的要素よりも食生活や生活習慣の乱れのほうが引き金になるということも推測されています。
最悪な食生活のパターンとは、一日中脂肪の多い食事をとり続けること。米ソーク研究所とカリフォルニア大学サンディエゴ校のアミール・ザリンパー氏らのグループが、セル・メタボリズム誌で2014年12月2日に報告したところによると、このような食事スタイルでは、腸内フローラは肥満につながる細菌に支配されてしまったそうです。
では、逆に、太りにくい体質にもフローラが関連しているのでしょうか?
これもまたネズミの実験ですが、実は『痩せ菌』ではないか、と言われるものが見つかっています。そのうちのひとつは、『Neture Online』518号(2015年2月25日)に、コーネル大学のルース・E・レイ博士が発表した『クリステセネラ・ミヌータ』という細菌です。
無菌マウスはもともと痩せていますが、そこに人間の便を移植すると、マウスは数日でみるみる太りました。ところがこの移植する便にクリステセネラ・ミヌータを加えると、マウスは太らなかったのです。このことから、この細菌はなんらかの仕組みで保菌者を太らせないのだろうと報告されました。
ちなみに、このクリステセネラ・ミヌータを腸内フローラに持っている人と持っていない人がおり、痩せている人が持っていることが多いとか。
「じゃあさっそく私もその菌を手に入れたい!」と思うかもしれませんが、あくまでネズミの実験の段階。まだこの菌がカラダにどういう影響を及ぼすのかも分かっていませんから、これからの研究が待たれるところです。
いずれにしろ、摂取カロリーだけが肥満や痩せの原因となっているわけではなさそうです。いくらカロリーが少なくても、その内訳が脂肪ばかりでは、痩せは期待できなさそうです。
将来的には医療の領域の極度の肥満に対して、便移植で治療がなされるようになってくるかもしれません。が、今は規則正しい生活と腸内フローラによい食生活で腸内環境を整えることがよいでしょう。
忘年会続きで疲れた胃や腸を整える食事は、下記『腸内環境がカラダを変える!』にありますので、ぜひご参考に!
(出典:『腸内環境がカラダを変える!』)
(編集 M)
詳しくはこちら!
この記事を読んだ人におすすめの記事
あわせて読みたい
この記事を読んだ人におすすめの本