中野真矢と青木宣篤のQ&A
RIDERS CLUB 2021年4月号 No.564
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2015.09.15
夏の名残に秋の気配を感じて、ふと山奥の静けさが愛おしくなった渋谷。蒸し蒸しと空気の動かない暑熱のコンクリートジャングルで見つけた、ググッとくる名前。「北八ヶ岳」とか「苔の森」とか、……う~ん、それだけでテイスティー。成層圏を感じる3,000m級の抜けるような青空やおっことぬしが出てきそうな深き緑の世界がアタマに浮かぶだけで、人混みにくたびれ侍だった僕は気持ちのいい異次元へと連れ去られる。そんな脳内トリップの入り口は、ロフト2階のカフェにあった。
その名はChino Cafe。常日頃打合せで使う渋谷シティラウンジが信州の香りをまとって様変わりしている。八ヶ岳の山並みや苔むした森がグラフィックや映像でディスプレイされ、渋谷のザワついた喧騒がすーっと背後に消えていく。茅野。いいところです。何度走ったかわからないビーナスライン。車山へ上がっていくと高い木がなくなってそれはそれは広々とした、仕事の小さなミスくらいなら一瞬で心から消し去るくらいの癒し力をもったグランドビューが現れる。美ヶ原まで行っちゃった日には、大きなミスだって中くらいに見えてくるくらいの自然治癒力。あれ、意味違うなと夢想してたらランチプレートがサーブされてきた。
このパン、可愛すぎるやん!と思わずレシーブ。北八ヶ岳のキャラ「コケ丸」クンというらしい。女性や子どもには人気必至だ。少なくともアンパンマンよりは可愛い。しかも茅野のほうれん草が練りこまれてると言う。脇役も茅野の高原野菜たちがバッチリ固めている。ヘルシーですね、メルシー。食べるたびに茅野化していく自分。ちなみに茅野化とは、心が空の青と山の緑のツートンに染まる状態を言う。
徐々に茅野化しながら見上げると、アウトドアの味方ナルゲンボトル!しかも八ヶ岳オリジナルボトルだと?これは見過ごせない。ナルゲン持ってるだけで山ではイッパシに見えるのだ。こんなの持って北八ヶ岳の苔の森なんかでトレッキングひと休み中の山ガールにさりげなく並んで「苔、いいですよね」なんか言っちゃって、さりげなくボトル取り出して水飲んでると「あ、普通のナルゲンじゃない……」なんて言われちゃって、「そうなんです、八ヶ岳、いいですよね」なんてさりげなく答えて、いつさりげなく連絡先を聞こうかとアタマがお花畑になってると、ナルゲンボトルが妄想を打ち破って語りかけてきた。“Climb!”そうだ。そうなのだった。ヨコシマな街の喧騒を抜け出すためにここに来たのではなかったか。ヨコシマな自分を正してくれたボトルに感謝しながら、うん、ただ登ろう!とボトルに答えたのだった。身も心も浄化してくれる、Chino Cafe。ヨコシマな人もそうでない人も、都心で清らかな気持ちを味わいたいなら渋谷ロフトの2階へレッツゴーだ。
渋谷のリラックススポット!
渋谷ロフト2階のレストラン。昼はランチやカフェ、夜はディナーを楽しめる。枻出版社の本がズラりと並んでいていつでも読めるのも特長。Wi-Fiと、窓際の席は電源完備。~9/15まで期間限定にて「Chino Cafe」オープン中!
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