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名僧のありがたい言葉
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2015.10.27
ワールドカップでの活躍により注目を集めるラグビー日本代表。これまで通算1勝しかあげられなかった日本代表が、今大会だけで3勝もあげ、国内外から称賛の声があがっている。この大躍進はどうやって成し遂げられたのか? 様々な角度から検証がされるなか、今大会で一躍時の人となった五郎丸歩選手の“ルーティン”についても多く取り上げられている。
大会前に発売された『Rugby World Cup 2015』内のインタビューでも、エディーHCからの高い要求をクリアするためにメンタルコーチの荒木香織さんと作り上げたルーティンの狙いについて語っていた。
「いままで感覚的にやっていたものを実際に自分のルーティンとしてものにしたのがここ2、3年です。ルーティンがないときの蹴り方は、たとえばキックが右に外れた時、今度は左に蹴ってみようというような微調整をしていました。でも、いまは常に同じ動作をすることによって成功率を上げています。
日本代表は走るラグビーなので、きつい試合になると足に負担はありますが、自分にはルーティンをやることしかできない。自分がコントロールできることしか、コントロールしないということです」
では、ルーティンにはどんな効果があるのだろうか? それは“いつもと違う”ことが分かることだ。例えば、テニス選手がサーブを打つ前に、ボールを3回突くことをルーティンにしていたとしよう。これには2つの効果がある。
1つ目は、いつも同じ動きをすることで“今日はボールを突くリズムがちょっと早いな”ということが感覚で分かるようになること。結果的に“気持ちが焦っている自分”に気がつくことができ、一旦リセットして再びやり直すことで失敗を未然に防ぐことができる。
2つ目は、パブロフの犬(ブザーを鳴らすと反射的に唾液を流す犬)のように、ルーティンを繰り返すことで、人間も条件づけられてくること。“ボールを3回突いたら集中する”を毎回行っていれば、ボールを突くだけで反射的に集中できるようになるというわけだ。
プロスポーツ選手の多くはメンタル強化のためにルーティンを取り入れている。メジャーリーガーのイチロー選手がバッターボックスで行う一連の動作や、フィギュアスケートの羽生結弦選手が演技前にリンク上で行うしぐさも、パフォーマンスを発揮するためのルーティンといわれている。また、テニスのラファエル・ナダル選手はサーブ前に鼻や耳を触るルーティンを行っているが、年々そのルーティンが増えて遅延行為で反則を取れる、なんてこともあった。
ルーティンはスポーツだけでなく、私たちの普段の生活にも取り入れることができる。例えば通勤時には新聞や本を読むのがオススメ。仕事につながる情報を得ることで、会社に着いた直後から頭の中を仕事モードに切り替えることができる。緊張する、焦ってしまう、忘れ物が多い、など誰にでも起こりうる日常のトラブルに冷静に対処するために“ルーティン”はいろいろな場面で活用できそうだ。
(K)
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