ステップは踏む?踏まない?
RIDERS CLUB 2018年6月号 No.530
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2015.12.21
ヤマハの方が、電動スクーターと、パワーアシスト自転車を弊社にお持ち下さったので試乗してみた。
ちなみに、バイク雑誌などのオフィシャルの試乗ではなく、エイパブ編集部の編集部員である私、村上タクタが会社の裏手でちょっと試乗させていただいただけです。軽い気持ちでお読みいただけると幸いです。
さて、私が学生だった四半世紀前ぐらいには2st.のスクーターがいっぱい走っていましたが、今や排ガス規制で2st.は走れません。4st.全盛になっていますし、2輪の駐禁が厳しくなったりと、いろいろと状況も違うので、スクーターに乗る人も減ったような気がします。
でも、スクータが利便性に優れた乗り物であることに変わりはないので、今でも便利に乗れるなら欲しいという気持ちはあります。
でも、パワーはあるのかか? 航続距離は? というところが疑問なワケです。
というわけで、まずはヤマハのE-Vinoに乗せていただきました。
結論から先に言うと、通勤や通学の距離が片道10km以内なら、これはアリ。快適です。
軽快でスムーズ。静かだし、十分に楽しく乗れる。どんなスクーターよりシルキーで滑らかなパワーフィール。とりわけ、入り組んだ道の下町なんかではとっても便利だと思います。バイクを寝かした状態からでも滑らかにパワーが出るので、安心してバイクを傾けられます。スロットルのツキが悪くて、オットットなんてことにはなりません。小さいUターンなどでも安心です。
対して、広い国道などを走らなければならない郊外だとちょっとつらいかも。加速力はそれなりだけど、やっぱり全体的に非力。今のところエンジンスクーターの方がパワフルです。
航続距離は、公称29km。ヤマハの方によると、これはかなり現実的な数字だけれども、途中で電欠するのがイヤなら20kmぐらいで予定を組んだほうがいいらしい。たしかに、そこは用心すべきポイントだ。
となると、片道10kmが限界ということになる。
実は荷室を犠牲にすれば、もうひとつバッテリーを載せることができる。これと合わせると片道20kmぐらいは走れることになる。となるとかなり行動範囲は広がる。
が、ともあれ、給油さえすればいくらでも走れるガソリンスクーターとは違うポイント。
E-Vinoの価格は23万6520円(税込み)。普通のガソリンエンジンを搭載するVinoデラックスが20万4120円(税込み)で、その差3万2400円だが、満タンにするための電気代が14円ということを考えると、コスト的には納得できる感じがする。使えば使うほどE-Vinoの方がお得ということになるだろう。
大きなバッテリーを搭載できる四輪車では、すでに日産リーフや、テスラなど、EVが現実的な選択肢として存在する。二輪車は大きく重いバッテリーを搭載するのが難しいという問題はあるけれども、vinoをひとつのバランスポイントと考えれば、もっと重くとも航続距離のあるスクーターを作るか? それとも……と、新たなアイデアも湧いてくる。
実は、筆者は1993年8月号のライダースクラブで、黎明期の電動スクーターに試乗している。
東京R&Dが開発したYAMATE ES600というスクーター。重い重いニッカドバッテリーをフロアの下に山ほど積んでいて、価格も50万円ぐらいするあまり現実的ではないスクーターだったが、電動ならではの出足の良さと、低重心による意外なハンドリングの良さが印象的だった。
それから22年。ようやく電動スクーターが現実的になったかと思うと感慨深い。「エンジンスクーターより便利」を実現するには、まださらなる技術革新が必要だとは思うが、遠からずそういう日も訪れることだろう。
さて、パワーアシスト自転車PASの最新型もお持ちいただいたので、乗ってみた。
PASナチュラというオーソドックスなモデルだ。
ところがこれが、軽くてパワフルで非常によくできていた。実はわが家にも他社のパワーアシスト自転車があって、それと比べてもかなりパワフルだ。
今どきのパワーアシスト自転車は人力の2倍までのアシスタントが可能なので、かなりパワフルだ。思わず走り回りたくなるほど。
こちらも、近隣の自転車屋さんなどでも試乗できると思うので、ぜひ、お試しいただきたい。お勧めだ。
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