ぬりえで楽しむ平安絵巻
ぬりえ 源氏物語
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2016.02.10
NHK連続テレビ小説「あさが来た」。幕末から明治にかけて、まだ女性が働くには苦労していた時代に、ヒロイン・白岡あさが女性実業家として持ち前の探究心と行動力で時代を切り拓いていく姿が多くの視聴者を惹きつけている。
その頃とはずいぶんと状況は変わったとはいえ、現代でもまだ男社会といわれる職業がある。例えば猟師もそのひとつだ。体力的にも精神的にもタフさが要求され、危険とも隣合わせ。そんな過酷な職業を選んだ女性たちがいる。そこで、田中康弘氏の著書『女猟師』から、そんなたくましくも魅力的な女猟師を紹介しよう。
兵庫県朝来市の吉井あゆみさんは狩猟を生業とするプロの猟師。狩猟法で定められた4か月あまりの猟期で1年分の実入りを稼ぐのだから、女性といえども腕前は抜群だ。小さい頃から山に対する感覚が鋭く、平日でも人手が足らないときは学校を休んで猟に駆り出されたという。
「20才で銃の免許を取りました。30才でライフルを取って、それからしばらくして、いまの場所に引っ越したんです。猟期には三桁は捕りますね。そうじゃないとあかんでしょ」。あゆみさんは京都、兵庫、鳥取各県に狩猟許可を申請し、かなり広範囲で活動をしている。獣肉専門のお店やジビエ料理店から注文を受けてから山に入ることもめずらしくなく、そういった需要も専業猟師を支えている。
「猟師は見切りをして、獲物を追って、それを捕ったら山から下して、内臓を抜いて、皮を剥いで。何でも1人でできんと、猟師とは言えへんと思います。狩猟は伝統文化。ただの殺生と違います。だからこそ精神性がとても大事で、それをきちんと受け継がなければあかんでしょうね」。あゆみさんの元には狩猟の技術を教えてほしいという人たちがやって来るという。「教えてほしいと言われたら、いいですよって連れていきます。ただし弱音を吐くようやったら止めといてくれって。迷惑やから」。
「あさが来た」で印象的な場面によく使われる“First Penguin”。群れで行動するペンギンの中にあって、魚を獲るため一番始めに海に飛び込む勇気あるペンギンのことだ。自分の仕事に誇りを持ち、厳しさと優しさをもって仕事に取り組む。現代の“First Penguin”も実にたくましい!
(K)
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