風土を醸す酒。
Discover Japan 2019年1月号 Vol.87
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2016.04.04
なんと、伊勢志摩には3000年前から海女さんがいたと推測されていたらしい。豊かな海産物に恵まれたこの国で、伊勢神宮などの神事とも結びつく重要な文化だ。
また、ひとつひとつの海産物を手で獲っていく方法は、大型船や底引き網などで大量に獲る漁法と違って、手間もコストもかかるが、一番自然に優しい漁法でもある。ウェットスーツを着て、ボンベを使えばそれはたくさん獲れるが、海女はいまでも素潜りで、ひとつひとつの貝やエビを手で獲っている。
そんな海女の漁に対してさえも鳥羽・志摩ではアワビに関しては厳しい制限を設けており、漁をしていいのは9時〜10時半までのわずか1時間半。9月15日〜12月31日までは禁漁で、10.6cm以下のアワビも採取禁止となっているという。
そんな海女の方々が、漁から上がり、身体を暖めるのが海女小屋。海辺にあるトタン張りの小屋がそうだ。炭火をおこした囲炉裏を中心に漁の成果や家庭の話題で親睦を深める場でもあり、ややもすれば女性たちだけの神聖な場所だ。
鳥羽・志摩の中で最大の100人を超える海女が暮らす町、相差(おうさつ)には2軒の食事のできる海女小屋がある。そのうちのひとつが、三重県鳥羽市にある『相差かまど 海女小屋おぜごさん』。予約のみの営業で4名より予約可能。予約は相差の観光協会まで。
相差かまど 海女小屋おぜごさん
住所/三重県鳥羽市相差町1238
電話/0599-33-7453(相差観光協会)
営業/ランチタイム12:00〜1時間。
ティータイム10:00〜と15:00〜の各1時間。
料金:3500円(あわびと伊勢エビは時価で別途)
交通/JR近鉄鳥羽駅から車で国道167号線松尾経由30分
取材時のメニューは、ランチで、サザエ、大アサリ、ヒオウギガイに一夜干しのイカ、アジの開き、餅に磯の香り漂う炊き込みご飯と、アオサのみそ汁だったとのこと。
その場所、その雰囲気の中でしか食べられない本当の美食を追求したいなら、ぜひ足を運びたい。
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