フィルムカメラが好きな理由
FILM CAMERA STYLE Vol.5
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2015.05.07
スマホで写真を撮ってると、もうちょっとグレードの高いコンデジが欲しくなる。かといって、一眼レフは高価だし、持ち歩くのは大変。そこで、予算5万円以内で買えるコンデジでお勧めのものを、カメラ専門誌『カメラマガジン』の清水茂樹編集長に聞いた。
「スマホの性能向上に対抗して、2~3年前から非常に性能の高いコンデジが増えており、5万円あれば十分に最新の高性能が体感できます」
「この分野は次々と新製品が出ますし、値下がりも激しいので、断言は難しいのですが、今何がベストかと言われれば富士フイルムのXQ1をお勧めしたいですね。新型のXQ2が出たので、XQ1は安くなって探せば5万円で買えると思います。大口径のF1.8のレンズや、レンズ外周のコントロールリングなど高級コンデジ定番の装備に、フィルムメーカーらしい発色の美しさが魅力です。今はこれがイチオシかな」
「ちょっとコンデジの中では大柄になってしまうけど、オリンパスのXZ-2もいいんですよ。絞りやシャッタースピードをマニュアル感覚のリングで調整できるし。レンズ周りのリングを、レバーでクリックありとなしに切り替えられるのもいいんですよね。フォーカスのような無段階に使う時には、クリックなしにして、F値のような段階のあるものの時はクリックありにする」
「5万円だったら、ルミックスのLX-7も買えますねぇ。F1.4というすごく明るいレンズが魅力です。しかもライカレンズですからね。そのへんもうれしいポイントです」
「どうしても、5万円でいいのを買おうとすると、型落ちモデルになっちゃうので、上記3点は新型が発表されてますが、今度は現行モデル。オリンパスのスタイラス1です。これの魅力はなんといっても、この値段で『サンニッパ』が手に入ることです。『サンニッパ』というのはカメラの世界では『300mm、F2.8』を表すんですが、明るい望遠レンズは高い。一眼レフの300mmのレンズでF2.8のレンズとなると60~70万円します。この性能をコンデジで感じることができるっていうのがすごい」
「ここまでで4つ。うーん。5位には3つ挙げさせて下さい。どれも、高品質コンデジとして定番です。まず1つ目。元祖高品質コンデジキヤノンのS120。これのご先祖であるS90が大人気で、気軽に使える高級コンデジっていうカテゴリーを切り拓いたんですよね。そこからS95、S100、S110、S120と熟成を重ねてる。モデルチェンジしても当初の小ささとシンプルさを損なっていないのが魅力です」
「フジは2つ目の登場になりますが、X30。『ザ・写真機』っていう感じのデザインもいいですし、コンパクトでEVFが付いているのもいい。このEVF標示のタイムラグが凄く少ないのもいいんです。ズーミングがマニュアルなんで、写欲をそそります。あとクラッシッククロームっていうフィルターがあるんですけど、これもプロ好みのポジフィルムらしい写り方ですごくいいんです」
「最後にソニーのRX100。これは、このあとにRX100M2、RX100M3と出てますが、併売されています。若干性質も違うし、RX100を選ぶのもアリだと思います。ソニーらしい緻密な解像感が魅力ですね。そもそも、多くのカメラメーカーの撮像素子を作っているのはソニー、カメラどころかiPhoneの撮像素子だってソニー製だって言われています。製造元だからこそ、撮像素子の性能を引き出せるというのもありますよね」
最新型にこだわらず、5万円で(探せば)買えるカメラを選んでもらったので、ちょっと旧型の機種も多くなってしまったが、これは間違いのない実質的な選択。もちろん、予算枠を広げれば同じ機種の最新型も買えるので、そのあたりいろいろ調べて熟考していただきたい。
(村上タクタ)
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¥990(税込)
(2015.04.20発売)
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