アシュタンガヨガの独自性
Yogini(ヨギーニ) Vol.75 2020年5月号
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2018.06.15
さまざまなヨガの流派の中でもストイックといわれているのが「アシュタンガヨガ」。毎日練習するのは当たり前で、ポーズのシークエンスの順番が決まっていて1つクリアしないと次には進めない。ポーズの数は6th(アドバンスD)まであり、公式に認められる6thシリーズまで練習している人は、現最高指導者のシャラート・ジョイスのみとも聞く。
『男のヨガ』 (宝島社)の出版、『情熱大陸』(毎日放送) の出演と、相次いでメディアに取り上げられ、一躍ヨガ界の寵児となった更科有哉。25歳でヨガと出会い、さまざまなヨガを経験したあと「アシュタンガヨガがぶっちぎりで楽しい」とハマった。アシュタンガヨガ正式指導資格レベル2を保持し、全国を回りながらアシュタンガヨガを伝える現在でも、毎年インドの総本山へ研鑽に通う。
「インドで練習するのって僕にとって、とてもスペシャルなこと。最高にハッピーだし、楽しいんです。あれだけ練習に打ち込めるところ、他にないでしょうね。それは、そこに尊敬するシャラート(・ジョイス)がいるからです」
1つずつ新しいポーズに取り組み、できなければずっと同じポーズと自分に向き合う。更科も何度も壁にぶつかり、今も新たな壁にぶつかっている。「諦めない?」の問いに対して、
「進みたいですね。もっとやりたいことがあるから。そのためには、ここを絶対に超えなくてはいけない。でも、本当はそうじゃなくていい……という考え方もあります。先に進むことがすべてじゃないし、進まないという選択もあります。目の前の壁をどう対処するかは人それぞれ。それを壁と思わない人もいるわけで。僕は、挑戦するのが楽しい。いきなりできるわけではなくて、練習を重ねていった上での結果。段階を踏んで練習していくと、昨日はできなかったけど、今日は脚がまっすぐに伸ばせたとか、そうなると単純にうれしいですよね。逆に、体が気持ちよく動いてくれないな~って日もあります。そうやって、自分と対話していくのも面白い」
「40歳になった今も全然限界を感じていない」という更科。15年に渡るヨガ歴でどのような変化があったのだろうか?
「生活習慣が変わりました。それと、変化に敏感になりました。心の変化、体の声を聞けるようになったし、周りの変化を察知する五感の感度が上がったと感じます。そうやって気づいたことに対して、自分の体と心をコントロールできるようになるための練習がヨガ。日々成長していると実感しています。……と言ってはみたものの、そんなに変わってないかもしれない。『高めたい』と思った初期衝動は今も同じ。まだまだ先は長いですからね」
更科が日本全国を巡ってアシュタンガヨガを広める『INTO THE MIND TOUR』は今年で8年目に入る。旅をする時間が自身の人生を充実させ、まだアシュタンガヨガを知らない人に魅力を知ってもらいたい……。「珍しいライフスタイルと思われるかもしれないですが、僕、自分に素直に生きていこうと思っているので」と笑う。
●更科有哉(さらしな ゆうや)
アシュタンガヨガ正式指導資格レベル2を保持。2009年より『INTO THE MIND TOUR』と題して全国を回り、アシュタンガヨガを伝えている。著書に『男のヨガ』(宝島社)がある。@yuya67
(出典:『Yogini Vol.64』)
(K)
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