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自転車How To

Vol.12 初めてのプロショップ活用法 ロードバイク購入編 その4 ロードバイク購入、5つのステップPart.2

[2008/08/21 UP]

ロードバイクは趣味性が高くパーソナルな乗り物。だからこそ、フェイス・トゥ・フェイスで話し合い、アレコレ相談し、最後まで責任を持って愛車の面倒を見てくれる「プロショップ」の存在が重要になってきます。

OD・BOX 殿村秀典さん 講師紹介
OD・BOX 殿村秀典さん
とにかく粋な遊び方をする素敵な自転車オヤジ。自転車以外にも車、釣り、時計など多趣味。
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TEL:03-3836-1055/FAX:03-3836-1066
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「これだ!」と思う一台が決まったら、ロードバイクをカラダに合わせてセッティングしていきます。

STEP3. ブランドが決まったらカラダのサイズを測ってもらう

ブランドが決まったらカラダのサイズを測ってもらう
ロードバイクは身体と一体化して高いパフォーマンスを生む“マシン”。そのため購入時にフィッティングの行程をふまないモノは真の意味でロードバイクとは呼べません。それゆえ、この作業は慎重に細かくやってくれるほどありがたいのですが、計測項目が多ければいいというものでもありません。最近のバイクはフレームが数サイズだけで、細かな体格差はパーツの交換で対応することが多いためです。そのおかげでロードバイクの単価が下がったという事情もあります。また、フィッティング方法にはさまざまな考え方があり、一概にどれが正しいとは言いにくい状況でもあります。

STEP4. 買うバイクが手に入ったら自分の身体に合わせてもらう

買うバイクが手に入ったら自分の身体に合わせてもらう ロードバイクの世界では“七分組み”といって、メーカーの仕事はパーツをざっとつけるところまでの7割で、その“七分組み”で出荷された製品をプロショップがフィニッシュまでもっていくというのが常識です。残りの3割はプロショップの職域で、自転車に生命が吹き込まれるという流れ。体格と“おおまかに”合わせたフレームを選んだあとで、より適したポジションを得るためにハンドル、ステム、サドルなどをアジャストする作業に入ります。プロショップでは、パーツを寸法だけで選ぶのではなく、乗る人の体力や経験、趣味志向までも考慮して適切なパーツを選び出してくれるのです。そのあと変速機やブレーキもしっかりとアジャストを行い、ワイヤー類の取り回しを調整したり、バーテープを換えたりとしてフィニッシュまで持っていきます。

STEP5. マイバイクを自宅へ乗って帰ろう

ママチャリのような一般車であれば、買ってすぐその場で乗って帰れますが、ロードバイクはセッティングに多くの行程を経る必要があるため、納車には時間を要します。プロショップにすべてを委ね、慌てずに待ちましょう。さて、待望の納車を迎えたら、「どうやって持ち帰るか」をよく考えておく必要があります。その方法例を3パターン紹介しましょう。

マイバイクを自宅へ乗って帰ろう パターン1.乗って帰る
最も理想的なのは、自分で乗って帰るという方法。愛車を手に入れた喜びと楽しさが押し寄せてきます。ショップを選ぶ段階から、乗って帰れる距離にある店を選択しておくのも、後々の付き合いを考えれば賢い手でしょう。




パターン2.配送してもらう
2つめはショップに配送をお願いするという方法。ショップが家から離れている人に有効な手段です。大事な愛車をいったん第3者に委ねてしまうと少し不安かも知れませんが、きちんとしたプロショップが取引している業者なら大丈夫。大船に乗ったつもりで待ちましょう。



パターン3.車で取りに行く
3つめは車で取りに行くというパターン。配送と同じくショップと家が離れている人に有効です。またクルマの場合は、バイクとクルマを傷めない車載方法も教われるというメリットがあります。いずれ車載でイベントに出かける時が来るかもしれないことを考えれば、そのシミュレーションとして、プロショップの手なれた車載法が参考になることは間違いありません。

ここまでロードバイク購入時のポイントを紹介してきましたが、最後に注意をひとつ。ロードバイク納車後の最初の1か月は、ワイヤーの初期伸びやパーツのアタリなど、各部にさまざまな変化が現れます。1ヶ月くらい乗ったらショップにメンテナンスをお願いすることを忘れないでください。

最後にもう一度、殿村氏の言葉を紹介しましょう。「いい店はね、店主に美意識があるんですよ。ロードバイクは効率最優先の乗り物ですが、美を忘れたら存在意義がなくなってしまう。じゃあその美とは何なのか。たとえばバーテープの巻き方ひとつとっても妥協しないとか、キレイに見えるワイヤーの取り回しを研究するとか、そういったもの。そこまで気をつかっている人なら、他の部分も必ずキチンと作業しています。職人って、すべてに自分の注意が行き届いていないと満足できない人種なんですよ」


ロードバイクを思いきり楽しむために、まずは自分のニーズに合った最高プロショップを探してみましょう。

バイシクルクラブ 2007年10月号より一部改編

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