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自転車How To

Vol.14 初めてのサドル交換・ロードバイク編 その3 痛みを考えてサドルを選ぼう

[2008/11/27 UP]

ロードバイクはフレームをベースに選ぶ人がほとんど。とはいえ、その見た目を左右するのは、たとえばサドルのような大きなパーツだったりする。同じフレームでもパーツを1つ換えることで速そうに見えたり、“ポップ感”を演出できたりと、バイクのコーディネートが楽しめるのだ。そこで「自転車How To Vol.14」では、サドルの構造や選び方、交換のコツなどを紹介しよう。

SPACE 松戸店 佐藤シゲヒコ店長 講師紹介
SPACE 松戸店 佐藤シゲヒコ店長
長身で細身、ロードバイクが似合う店長。ショップがもつチーム「SPACE」は、鈴木真理選手が監督をつとめている。ハードなイメージだが、実はとてもフレンドリーなチームだ。
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営業時間/12:30~20:00(日曜日は19:00まで)
定休日/水曜日
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初めてのサドル交換・ロードバイク編・03 サドルには坐骨2点と股部分の3点で座るため、この3点が特に痛くなるのはある程度仕方ないといえます。プロ選手でさえベストフィットサドルを見つけるのは困難で、一度見つかれば、同じものを数個買っておくといいます。痛みの原因を理解してサドルを選べれば、その不快感が軽減でき、ライディングがもっと楽しくなる。デザインもよく、なおかつ自分にフィットするモデルを見つけましょう!

お股が痛いのはサドルの形状に関係ある

丸みのあるサドル/角ばったサドル 座ったときに股が当たる部分はサドルのほぼ中央。そこでまず、股の中心が痛い場合はもう少しフラットなものを、端の2箇所があたって痛い場合は少し丸みのあるものを選びましょう。

さらに、股の痛みの原因には、圧迫による痛みとスレによる痛みがあります。後で詳しく触れますが、スレはレーサーパンツでほぼ解消できます。一方、圧迫による痛みを解消するには、それを軽減する“ジェル入り”や尿道を逃がすような設計の“穴あき”など、形状で選ぶのが得策です。
ジェル入りサドル/溝あきサドル/穴あきサドル

人によって違う坐骨幅、とくに男女はまったく違う

男性・女性の坐骨幅 写真をご覧ください。女性は子どもを生むため、骨盤の幅や坐骨幅が男性より広くなっています。そこでセラサンマルコ、ボントレガー、スペシャライズドなど、坐骨幅を加味したサイズを展開しているメーカーもあります。

また、サドルがフィットかどうかは、その人のライディングフォームによっても変わってきます。そのため、坐骨をサドルに安定させてペダリングをする人は「谷型」、ポジションを細かく移動させながらペダリングをする人は「フラット型」と、座面が2種類に分かれているのです。
谷型:後ろのソリが腰を安定させる/フラット型:走行中、ポジションの移動ができる

レーサーパンツは当然!? パッドにクリームを合わせよう

レーサーパンツは当然!? パッドにクリームを合わせよう 上で述べたように、スレによる痛みを解決するにはレーサーパンツ(写真右)が得策です。ライディング用に開発されたレーサーパンツには、坐骨と股を保護するように立体的にパッドが付いています(メーカーによって厚さ・形は違なります)。これが脚の回転に合わせて動いてくれるので、スレによる痛みを和らげてくれるのです。ただし、運動による汗で皮膚とレーサーパンツが滑らずに摩擦を起こし、スレの痛みが出ることがあります。そこでレーサーパンツを履く際は、パッド部分にクリーム(写真左)を塗っておきましょう。

バイシクルクラブ 2007年12月号より一部改編

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