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自転車How To

Vol.15 初めてのローラー台選び その3 負荷装置の特性を知ろう

[2009/01/29 UP]

トレーニングアイテムの定番「ローラー台」は、その価格のわりにさまざまな用途に使えるスグレモノ。バイクセッティングからポジション出し、体力維持など、とくに冬季のオフシーズンに大活躍すること間違いナシです!

株式会社箕浦 専務取締役 箕浦 浩さん 講師紹介
株式会社箕浦 専務取締役
箕浦 浩さん

自・他社製品の素材・構造から商品の特性まで、サイクルトレーナーに関する知識は豊富かつ深い。サイクルトレーナー博士と言っても過言ではない。

マグネット式&フルード式の特性

初めてのローラー台選び・その2で、ローラー台(タイヤドライブ式)の負荷装置にはマグネット式とフルード式の2種類があることをお話しました。実走感や負荷調整の面でそれぞれ特性があります。自分のトレーニング法に合わせてローラー台を選べるよう、負荷装置の特性を見ていきましょう。

まず、マグネット式は相対する磁石の円盤を少しずつずらして(またはその距離を離す)負荷を調整しています。そのため、負荷の調整が細かくできるのがメリットです。ただし、磁石の磁場を利用して負荷を与えているので、高速で回転するとそのスピードに磁場が対応できず、負荷が効きにくくなり、実走感も弱くなります。

一方、フルード式はオイルの粘性によって負荷を調整します。そのため負荷調整が滑らかなのが特長です。しかし、オイルなので長時間使用すると温度があがり、粘性が低下します。結果、負荷は効きにくくなり実走感も弱くなってしまいます。
マグネット式&フルード式の特性

音はタイヤへの負荷によって違ってくる

音はタイヤへの負荷によって違ってくる 低音でブーンというローラー台の音は、マンション住まいや家族のいる人にとって使用の際に悩むところ。この音は、タイヤとローラー(負荷装置)の接地具合に起因しており、タイヤとローラーの接地具合を調整することで軽減できます。箕浦氏によれば「ローラーとタイヤはちょっと強めかな? と思うくらいに接地させてよい」とのこと。同じケイデンス(1分間あたりのクランクの回転数)と時速で、“ゆるい”と“しっかり”の接地具合で比べた場合、“しっかり”と接地させたほうが音は小さくなります。“ゆるい”だと高速で回転させたときにタイヤがローラーの上を滑ってしまい、キュッキュッという音が出てしまいます。

ローラー台の価格はなぜこんなに幅がある?

ここまで負荷装置についてお話してきましたが、ローラー台には、ほかにも様々な機能を搭載したモデルがあります。当然、様々な機能が付く分、価格も高くなっていきますが、自分の使用目的に必要な機能さえ付いていれば、価格が安いものでも十分です。ローラー台を選ぶ際は、価格だけでなく使用目的やトレーニング方法に合った機能で選ぶことも大切。ここでは、搭載されている機能別にさまざまローラー台のタイプを見ていきましょう。
ローラー台の価格はなぜこんなに幅がある?

バイシクルクラブ 2008年1月号より一部改編

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