2010年9月1日、社名をそれまでの「EDGE COMPOSITES」から変更した「ENVE COMPOSITES」（エンヴィ・コンポジット）。これは本国アメリカ以外での販売戦略によるものだといい、製品ロゴの変更もパッと見た限りではわからないわずかなものであった。

　カーボン製品を多くラインアップするENVEは、ホイールも完組みチュ ーブラーホイールだけでなくクリンチャーやMTB用ホイールもそろい、リム単体での販売も行っている。 　ENVEの特長は、なんといってもリムが軽量で高剛性であること。チューブラー用ホイールであることのメリットを活かしているため、ロードレースやヒルクライムレースで絶大な効果を発揮してくれる。また完組みホイールのラインアップには、リムによってDTスイスやクリスキング、TNIなどさまざまなハブが組み込まれる。

　右ページで紹介している「SMART ENVE SYSTEM6・7」は、前後のホイールを1セットとして開発されたもの。剛性とエアロ効果の高いディープリムとしながらも、横風の影響を受けにくくするためフロントのリムをリアよりも10mm低く、さらにリム幅を2mmワイドに設定している。数値流体力学（CFD）解析を元にしたこのシステムの開発者サイモン・スマートは、タイムトライアル用のフレームデザイナーでもある。まさに1分1秒を争うタイムトライアルの世界で重要視されたステアリングの安定性をENVEのホイールに活かしていることになる。

　また写真のモデルのハブは「クリスキングR　45」バージョンであるが、「DT180」や「DT240」、「TNIエボリューション」、「TNIウィング（ノーマルとセラミック）」バージョンもラインナップし、価格も248010円〜337050円（前後セット）とそれぞれ異なる。

　そして写真左ページは手の届きやすい価格設定ながらも、前後で1081gととくにヒルクライムで大きな武器になる「ENVE1・45」。こちらも写真のモデルはTNIウィング（セラミック）」バージョンだが、「クリスキングR45」、「DT180」や「DT240」、「TNIエボリューション」、「TNIウィング（ノーマル）」バージョンがそろう（価格は214410円〜3450円）