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自転車How To

Vol.6 アイウエアの選び方 その1 積極的な走りを最適なアイウエアで手に入れる

[2007/03/22 UP]

アイウエアはグローブやヘルメットと同じように身体を保護するもの。あまり使用していなかった人もデザインだけで選んでいた人も、レースシーズンが本格的に始まる前に、一歩ふみこんだアイウエア選びをしようよ。

photo 講師紹介
メガネナカジマ 店長 中島正貴さん
片山梨絵選手などアスリートの視界をサポートするメガネナ カジマの中島さん。自身もMTBやスノーボードを楽しむスポ ーツ好きで、ライダーに最適な一本を製作してくれる。普通 の眼鏡作りも独自のノウハウを持っている信頼のショップだ
メガネナカジマ 神奈川県川崎市多摩区中野島3-14-2
TEL:044-933-1343 年中無休 AM10:00~PM20:00
http://www.h2.dion.ne.jp/~opt/

積極的な走りを最適なアイウエアで手に入れる

1980年代後半に活躍したロードレーサー、グレッグ・レモンとローラン・フィニョン。オークリーのアイウエアをいち早く自転車レースに持ち込んだレモンと、小さな眼鏡で知的さを演出したフィニョンの二人は、アイウエアの違いでも対照的なスタイルだった。'89年、レモンによるツールでの逆転劇はアイウエアの違いだったのかもしれない。

「アイウエアは選び方しだいで、自分を有利にしてくれるツールになる」ナカジマメガネの中島正貴さんは、アイウエアの重要性をこう語る。「ツールとして使いこなしの究極はシーンに合わせてアイウエアを選ぶことです。しかし街でもスポーツでも使いたいというお客さんは多い。違う条件を満たせる中間のモノを要求されることが多いわけです。アドバイスはできまが、どちらも満足してもらえるとは、こちらは言えません。最終的にはお客さんに判断してもらうしかないのです」

闇も闇、真夜中の森の中を小さなライトで走ると「有利にするためのツール」という言葉を実感できる。日中は見えることが当たり前であり、視覚情報がいかに大切なのか、我々は無自覚なのだ。アイウエア選びは積極的走りへの第一歩なのである。

障害物から目を守る!
河川敷などを走っていて特に気になる蚊柱。蚊柱に飛び込んで目の中に虫が入るといった経験をしたライダーは多いはず。また風で舞い上がった砂埃が目にはいるとライディングどころではない。しかし顔にフィットしたスポーツ用のアイウエアを着用していれば、その不快感から解放される。MTBではコース上に張り出した木の枝から目を保護してくれる。私、アイウエアのお陰で失明の危機を免れたことがあります。

風をよけて目の渇きを防ぐ!
そこそこの速度で走っているクルマの窓から顔を出して、目を開け続けられますか? 無理ですね。ま、それは極端な物言いだとしても、アイウエア無しでは目が乾いてしまう。そうすると目が疲れやすいだけでなく、眼球を傷つけやすくなるので視力低下を起こしかねない。顔を覆うようなアイウエアのデザインは、目の乾きも防いでくれる。

クリアな視界を確保!
レンズに使用される色によって、景色の見え方は変わってくる。天候による光の強弱に応じたレンズカラーを選ぶことで、路面状況を目視しやすくできるのだ。傾向として、暖色系はコントラスト(明暗差)をハッキリと、寒色系は自然な見え方でありながら眩しさを抑さえてくれる。また偏光レンズなど、路面の乱反射を抑える機能をもつレンズもある。

紫外線から眼球を守る!
お肌のUVケアが叫ばれるようになって久しいが、オメメのUVケアは同じほどには重要視されていないのでは? UV(ウルトラバイオレット)、つまり紫外線が眼に与える影響は深刻で、角膜障害や早期の白内障を引き起こす原因になる。ウインタースポーツでは雪原の反射による雪眼がよく知られるが、自転車でもケアしないわけにはいかない。

アイウエアは大切なプロテクターのひとつだ!


アイウエアを拒否するライダーはほとんど存在しない。特に土埃が舞い、ドロが飛ぶMTBでは必須の装備。プロテクト効果がほとんど無い薄手のウエアを身に纏うXCライダーでさえも、ヘルメットとグローブ、そしてアイウエアは必ず装着しているのだ

用途: 路面状況に応じてレンズ選びは大きく異なる。あらゆる用途をカバーするレンズはない。また通気性などもポイントだ

購入前に要チェック!: なんといってもフィット感が重要だから試着は必須。またレンズ色が同じ系統の色合いでも、好みは微妙に違うものだ

ヘルメットとの相性: 顔にフィットしてもヘルメットと干渉することもある。購入時には使用しているヘルメットを持ち込んで試着したい

予算: スポーツ用では最低でも1万円から。さらに交換レンズや度付きレンズなども考えよう。また用途に応じたフレーム選びも

詳細はバイシクルクラブ 2006年5月号(2006年4月20日発売)をご覧ください
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