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自転車How To

Vol.14 初めてのサドル交換・ロードバイク編 その2 ベストフィットを探すためにサドルの構造を知ろう!

[2008/11/13 UP]

ロードバイクはフレームをベースに選ぶ人がほとんど。とはいえ、その見た目を左右するのは、たとえばサドルのような大きなパーツだったりする。同じフレームでもパーツを1つ換えることで速そうに見えたり、“ポップ感”を演出できたりと、バイクのコーディネートが楽しめるのだ。そこで「自転車How To Vol.14」では、サドルの構造や選び方、交換のコツなどを紹介しよう。

SPACE 松戸店 佐藤シゲヒコ店長 講師紹介
SPACE 松戸店 佐藤シゲヒコ店長
長身で細身、ロードバイクが似合う店長。ショップがもつチーム「SPACE」は、鈴木真理選手が監督をつとめている。ハードなイメージだが、実はとてもフレンドリーなチームだ。
SHOP DATA
〒271-0064 千葉県松戸市上本郷4079-4
TEL/047-308-5551 FAX/047-308-5541
営業時間/12:30~20:00(日曜日は19:00まで)
定休日/水曜日
http://spacebikes.com/

お尻が痛いとカッコいいサドルも台無し

短い距離を走るなら、それほど厳密にサドルを選ぶこともないのですが、長距離を走るとなると話は別。自分のカラダに合う、ベストフィットサドルを選ぶ必要があります。構造や素材に着目して慎重に選ばないと、プロ選手でさえ尻や股に痛みを感じることがあるのです。実際、SPACE・松戸店の佐藤店長も、カーボンのみで構成されているシャープなサドルは、長距離を走る分には(尻が)危険との認識を持っており、1kmタイムトライアル用(短距離用)バイクに装着しているそうです。気に入ったサドルをどんなふうに使用するかはもちろん自由ですが、長く付き合えるサドルを選ぶために、まずはサドルの基本構造を理解しておきましょう。
初めてのサドル交換・ロードバイク編・02

[1]表面
サドル表面の素材は、耐候性や成型のしやすさ、コストパフォーマンスなどの面から、合皮が主流です。カーボン製はクッション性がないため、乗れる人は限られてきます。乗り込むと自分に合った形になるのは本革製もあります。

[2]パッド<ボールド>
パッドは尻やお股の痛みを軽減してくれる効果を担う部分。その素材に発泡ウレタンを使用しているものがほとんどですが、ゲルやエラストマーなど柔軟性のある素材を内包しているモデルも多くあります。

[3]ベース
ベースとは、文字どおりサドル形状や乗り心地に影響する部分です。路面からの振動を吸収するため、しなりがよく、成型しやすい樹脂性(ナイロンやプラスチック)がほとんど。軽量なうえに剛性も高いカーボン素材もあります。ただし、高価。

[4]レール
シートポストに固定する部分をレールといいます。素材は主に、クロモリ、チタン、カーボンがあり、この部分の素材の違いでサドルの値段が変わってきます。2008年にはフィジークの“キウム”という金属素材が登場。他にバナジウムなどもあります。

サドル選びではレールの素材にも注目してみよう

前述のとおり、レール部分の素材はクロモリ、チタン、カーボンが主流です。これら3つの素材について特長を挙げてみましょう。
クロモリ/チタン/カーボン

素材やパッドじゃない! サドルは“しなり”も重要

素材やパッドじゃない! サドルは“しなり”も重要 サドルの柔らかさは、振動を吸収するレール、ベース、パッド、表面の4点で決まります。そこでポイントをもうひとつ。サドルを選ぶ際は、表面を押すだけではなく、サドルの“しなり”にも着目してみましょう。

バイシクルクラブ 2007年12月号より一部改編

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