わたしがかけ出しだった頃の話。

THE GOLFERS CLUB店長 中川賢一

「ゴルフが大好き」だから僕は今ここにいる。

わたしがかけ出しだった頃とはいえ、中途入社なので2回のかけ出しがあった。1度目は新卒で某輸入車ディーラーに入社。その頃はバブルがはじけた後で、車なんて売れない辛い時期。でもそんな時だからこそ学べたことはたくさんあったのかも。大学を卒業し意気揚々と社会に出たものの、朝から掃除、洗車、1日100件以上の飛び込み訪問、電話でお客様のフォロー、終わって先輩のお付き合い。「なんだ、この毎日」なんて考える間もなく、とにかく必死にやり過ごすだけ。当然そんな新人がすぐに高級車をバンバン売れる訳もない。売れてないときは、当然のように休み返上で売りに行く。怖いひと言「売れないじゃないんだよ、売るんだよ」とよく言われた。とはいえ、ベテランだから売れる訳でもないのだ。運もあるし、それをものにするかどうか、売り方も千差万別、いろいろなスタイルがあり個性も大事なのだ。「モノ」を売ることの大変さ、そして面白さを学んだ時期だった。大変な毎日だったが、幸いにも周りの人にも恵まれ、楽しい日々だった。

なぜ、転職したかというと仕事に対して情熱をイマイチ感じられていなかったからだ。常に違和感を感じながら仕事をしてきたのだろう。新卒から10年以上も経ってやっと気づいた情熱の矛先は幼少からも馴染みのあった「ゴルフ」だった。情熱はひょんなことから気づいたのかもしれない。「ゴルフ上手くなりたい」とか、「タイガー・ウッズみたいになりたい」とか、「このクラブが欲しい」とか、「あの娘とゴルフしたい」とか、些細な好奇心がきっかけなのだろう。

いつか必ず「ゴルフ」の仕事がしたいと願い続けていた。当時から「EVEN」を愛読していて、このお洒落な感じイイねと思っていたら、ザ・ゴルファーズクラブ二子玉川のOPENを知り、これは縁だと思い、即時に門をたたき、幸いにも入社できた。情熱は満点なのだが、大好きな「ゴルフ」は知れば知るほど奥が深く、また一から勉強の毎日だった。ただし、同じ「大変」でも「大好き」という情熱が有るのと無いのでは大違いだった。ここでは、大好きな「モノ」を売る楽しさと、大好きな「モノ」を作る難しさを学んだ。しかし、実は、諸事情もあり一度退社しているのだ。それでも、僕は戻ってきた。「ゴルフ」という情熱を求めて。会社、そして人との縁を感じて。

僕は今、3回目のかけ出しを楽しく味わっている。

profile

中川賢一(ナカガワケンイチ)。
輸入車ディーラーを経て、2009年入社。一度離れるも、情熱を求め出戻り。ゴルフバカだった父の影響で、ゴルフ大バカとなり、現在若者のゴルフ人口を増やすことに専念。

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